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2016年12月4日
write by 皆川 洋美
もう師走になってしまいましたね。
11月23日に行った過労死等防止対策推進シンポジウムのご報告です。
事前の申し込みをはるかに超え,150人の定員いっぱいになる人数の参加をいただきました。
本当にどうもありがとうございます。
電通事件の報道もあったからか,フロアから発言も積極的にみられました。
安価で良質な物・サービスの裏には何があるのか,その裏にあるのは人件費削減の可能性が高い,という指摘に対して,皆さんが納得した様子だったのが印象的でした。
経営者だけが悪質で,人を死なせようとしているわけではないのではないか…
私がそう感じているだけかもしれませんが,いわゆる経営者の方であっても,
過労死問題は起きないほうがいいと思っているはずです。
もちろん,思っているだけの会社に対しては責任追及はしなければなりません。
従業員への安全配慮義務を果たすことは,人を使う以上最低限の義務だと思います。
しかし,特にBtoBの現場において,納期だったり,季節だったり,期間が決められているということは大変多いと思います。
そうした場合に,相手の会社も人が働いているのだ,ということにどのくらい思い至るのでしょうか。
電通という会社はいわゆる広告会社ですから,お客さんありき,お客さんの納期ありきの会社です。
相手のうちあわせ時間に合わせて業務を為ざるを得ないということはよくあることなのではないでしょうか。
相手の会社にも人が働いているのだ,ということを頭において進めることができない。
それは,何もある特定の会社だけが悪いとか,責任があるとかいうことではなく,
過当競争社会において,そうせざるを得ないことに問題があるのではないでしょうか。
過労死等防止対策推進法が,事業者だけではなく,国や自治体の責務として,過労死防止を謳ったことの意味は,ここにあると思います。
来年も,過労死等防止対策推進シンポジウムを行う予定でいます。
ぜひ,年に1度のこれを機会に,過労死問題について考えていけたら,と思っています。
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