平成22年度道議会政調費訴訟 勝訴のご報告
write by 島田 度
島田です。
私が代表を務める札幌市民オンブズマンで取り組んでいる、平成22年度道議会の政務調査費の返還請求を求める訴訟の判決が、12月8日(金)午後1時30分に札幌地裁で言い渡されました。
この訴訟で問題としていたのは、大きく分けて、
① 会派(自民党、民進党)から政党支部に対する「調査委託費」名目での年間数千万円の支出
② 議員による事務所費・人件費の支出
のふたつでした。
①については、札幌市民オンブズマンは、平成20年度と平成21年度の政務調査費について先行して同じ争点の訴訟を提起していました。
この先行する二つの訴訟については、いずれも最高裁まで争いましたが、最高裁では、平成20年度は全額適法(敗訴)、平成21年度は2分の1が違法(勝訴)と、結論が真逆に分かれていました。
したがって、今回の平成22年度の判決は、「1勝1敗」の後の司法判断の方向性を示すものとして、非常に注目されるものでした。
結論としては、裁判所は、平成21年度政調費訴訟と同様に、政党支部に対する調査委託費の支出は、2分の1を違法と断じました。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20171208/3184251.html
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/150034
当然の結論とはいえ、この判決には、本当にほっとしました。
年間数千万円もの税金が、「調査委託費」という名目で政党支部に流れていくのは、明らかに異常です。
司法がこれを正す判断をしてくれたことは、札幌市民オンブズマンとして、心から敬意を表するものです。
また、議員事務所費・人件費についても、裁判所は、議員らが主張する事務所の使用実態・職員の勤務実態について、事後的に説明可能な客観的な資料が残っているかどうか、という観点から厳格に判断し、議員が一方的に主張しているだけの按分比率については認められないと判示しました。
政務調査費が税金を原資とするお金であり、その使いみちについて事後的に検証可能なように様々な制度が設けられていることを正しく踏まえた、適切な判断枠組みと評価できます。
判決での最終的な合計の認容額は、約9140万でした。
これは単年度の政務調査費についての認容額としては、全国的にも過去最大級とのことです。
今後、舞台は控訴審に移ると思われますが、引き続き、ご支援のほどをよろしくお願いいたします。