除斥案件に光!B型肝炎訴訟福岡判決が出ました!
write by 皆川 洋美
今日は、B型肝炎に苦しむ人たちへの朗報があります!
除斥といって、不法行為の時から20年経過した場合、民法では損害賠償請求ができなくなってしまうという制度があります。
B型肝炎訴訟では、慢性肝炎の発症から20年が経過した、つまり20年以上も肝炎に苦しんできた人について、どのように対応されるべきかということが大きな問題になっていました。
このことが真正面から争われて、慢性肝炎が再発した原告2名の方に対して、国は慢性肝炎の最初の発症時点を起算点として除斥を適用すべきであると主張していた案件がありました。慢性肝炎が再発した原告2名に対し、被告は、慢性肝炎の最初の発症時点を起算点として除斥(民法724条後段)を適用すべきであると主張していました。
そして、その件について、福岡地方裁判所での判決の言い渡しがありました。
判決は、以下の通り、被告国の除斥適用の主張を退けた上で、原告らの請求全部を認容したと、福岡の弁護団から報告がありました。
「最初の慢性肝炎発症時において、その後のHBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害をも請求することは客観的に不可能であったというべきである。したがって、原告らは、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症時に、HBe抗原陽性慢性肝炎による損害とは質的に異なる新たな損害を被ったものというべきであり、上記発症時に、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症に係る損害賠償請求権が成立したものと解される。
そうすると、原告らのHBe抗原陰性慢性肝炎発症による損害賠償請求権に係る除斥期間の起算点はHBe抗原陰性慢性肝炎の発症時となるところ、原告らは上記発症から20年以内に本件訴訟を提起したものであるから除斥期間は経過していない。」
このように、再発した肝炎について、再発した発症時点を起算点とするということについては、全国で初めての判決であり、同様の再発の慢性肝炎原告を含め、すべての除斥対象者に対して救済の道を広げるものです。
これを受けて、全国B型肝炎訴訟北海道弁護団では、緊急の電話相談会を行うことも決まりました。
12月16日・17日
午前10時から午後4時まで
011-231-1941
「自分は救済対象となるのか?」
「どのような救済が受けられるのか?」
「必要な書類や手続きは?」
などについて、当弁護団に所属する弁護士が直接電話でご相談をうかがいます。
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