除斥を巡るB型慢性肝炎の札幌高裁での期日が開かれます
write by きたあかり法律事務所
当事務所の島田・皆川が所属している全国B型肝炎訴訟北海道弁護団に関するお話です。
昨年3月、札幌地方裁判所民事第5部(廣瀬孝裁判長)は原告2名についてHBe抗原陰性のB型慢性肝炎の発症から訴訟提起までに20年以上が経過したとして除斥期間を適用し、原告らの請求を全部棄却する判決を言い渡しました。
この判決は、原告らの被害実態に向き合うことなく除斥期間を形式的に適用して原告らの被害救済を拒んだものであって満身の怒りを禁じえない旨、弁護団の声明も発出しました。
そもそも,何の落ち度もないのにB型肝炎に感染させられ、損害発生から20年以上という長期に渡り被害を受けてきた被害者らに対し、時の経過のみをもって国の責任を免じるのは極めて不合理なものです。
この判決の言渡後、裁判長は、B型肝炎の感染被害が長期かつ深刻であることを前提に、裁判体としての意見は令和3年最高裁判決の三浦裁判長の補足意見と何ら変わるところはないとして、国に対し、本判決に関わらず、感染被害者等の救済に当たる国の責務が今後も適切に果たされるべきと述べました。
国は令和3年最高裁判決を受けて行われている福岡高裁での協議における姿勢を改め、除斥期間が問題とされている慢性肝炎被害の「迅速かつ全体的な解決」を図るべきであると考えますし、一方で当該原告らの被害救済のためには控訴せざるを得ませんでした。
3月23日午前10時から、札幌高裁にて、本件についての高裁での第1回の審理が行われることとなっています。
お時間のあります方は、傍聴によるご支援のほど、よろしくお願い致します。