きたあかり法律事務所です。
年が明けてから、いろいろな団体の新年会にお邪魔しています。
先日は、中部民主商工会の新年会にお邪魔してきました。
民主商工会ってなんだ?という方も多いと思います。
司法試験の受験生であれば、適正手続に関する「川崎民商事件」を聞いたことがあるかもしれません。
民主商工会(=民商)は、小企業・家族経営の事業者での、様々な助け合い運動に取り組む業者団体です。
記帳や税務調査、融資、開業、税金・国保・社会保険料の納付相談、各種経営交流や学習会などを行っています。
川崎民商事件では、税務調査にあたって
国税庁は民主商工会の介在が適正な税務執行、調査等を妨げる要因となり、会員の納税申告額は一般の納税者の申告に対して低額になされている疑いがあるとして、
各国税局に対し、民主商工会員に対する税務調査を徹底的に行うように指示したという経過で、
川崎の民商の会員の申告についての調査があり、この調査の際の手続の適正性が問題になりました。
最高裁では、
刑事責任追及を目的でないとの理由のみで当該手続きを憲法第35条の保障外とすることは相当ではないが、
税務調査は実質的に刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有するものでなく
税務調査制度には公益上の必要性と合理性が存し、間接的心理的な強制程度も不合理ではないので、憲法第35条に反しない
憲法第38条の保証は刑事手続以外でも刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続きには及ぶが、
税務調査はそのような手続きではないから、憲法第38条には違反しない
ということで、有罪判決が出てしまったという事件でした。
これについて、いろいろ思うところはありますが、いずれにしても、
平成27年の国税通則法改正で、税務調査時には「事前通知」が原則とされました。
この事前通知は、全部で11項目ありますが、1つでも欠けば、手続を踏んでいないこととなるため、調査を始めることは出来ません。
また、突然来られて対応できない場合には、断ることも出来ます。
こんなことを学ぶ場としても、民主商工会には大変お世話になっています。
そのため、当事務所の弁護士の皆川は、北部民主商工会の会員でもあります。
中部民商の新年会では、「新芸能集団乱拍子」の和太鼓の演奏を聴くことができました。
写真から、乱拍子のサイトに飛ぶことができます。