政府は23日、労働基準法で定められた週40時間を超えて働く人の時間外労働(残業)に関し、規制を強化する検討に入った。例外として長時間の残業を容認している「特別条項」に上限を設ける案が浮上している。
労基法では、残業が一定時間を超える場合、この制度を使って例外的に労使で独自に上限を決めることができるが、国が定める上限はなく、無制限な働き方を助長しているとの批判がある。政府は「1億総活躍社会」の柱として働き方改革を進める方針だ。
長時間労働への歯止めが期待できる一方、経済界は企業活動に影響を与えるとして猛反発するのは必至で実現には曲折が予想される。
さて。これをどう評価するのかという問題です。
もちろん,過労死問題を解決する上で,この規制強化は重要です。
一方で,これは産業競争力会議で方針を定めた規制強化検討のようです。
1/29 第 20 回産業競争力会議小室淑恵、「3年で長時間労働をやめなければ日本は破綻する」職場全体の長時間労働の是正、男性の育児参画、保育士の確保、介護離職の防止ということがかなりしっかりと位置づけられている
「労働時間に上限のある企業」になるとどのような変化が起こるのか。生産性をあげるために、1時間あたりの成果を競い合うという評価制度に変える必要が出てきます。
「時間あたり生産性」といいますが、これを評価基準にすると、時間内に成果を出せばいいということになり、時間的制約のある社員のモチベーションが上がります。
また、独身社員、子どもを持つ男性社員にも「ライフ」の時間ができる。
これは高度プロフェッショナル労働制度の宣伝文句と同じです。
この制度の問題点には枚挙にいとまがありませんから,規制強化とはいっても諸手を挙げて歓迎するのではなく,
それと抱き合わせになってくるであろう規制緩和や,労働時間規制の「弾力化」に目を光らせていなければならないと考えています。