読書日記 2019年4月
write by 皆川 洋美
4月に読んだ本をご紹介。
これは島田から借りました。
読み終わったから返さないといけないんだけれどもそのままだな…
弁護士13人の手記なのですが、本当に失敗談を生々しく書いてあるのは珍しいな…と思って読んでいました。
一部の物については、依頼者さんはこの本を書くのに何も言わなかったのか…とドキドキ…。
アイヌ遺骨返還訴訟の弁護団長、市川先生から頂いて読みました。
弁護団での議論で、市川先生の考えていることはなんとなくわかったような気がしていたのですが、友人たちと同じ本を読んでやり取りをしていて、読み方が違うものだなと思いました。
もう少し腰を据えて、参考文献とともに読まないとダメかもです。
先月読んだ「私家版差別語辞典」の著者の方が書いた、もう少し読み物に近いものです。
被差別部落・民族の食卓に上っているものについてのルポルタージュです。
強烈な共通点があるものだな…と思いました。
ハリネズミを食べる文脈が、一瞬よくわからなかったので、もう一回一から読まないとダメかも。
実際の事件とフィクションとがまぜこぜに書いてあるそうです。(ネタバレにはならないよね?)
そりゃそうだよね…
読みすすめるのにものすごくエネルギーが要ったので、一度に読み切れませんでした。
そういえば、この間、性犯罪をめぐる無罪判決について、インターネット上でたくさんの議論がなされていますね。
私は、犯罪被害者の案件ももちろん取り扱っていますし、重要な問題だとは思っているのですが、刑事手続の大原則である、疑わしきは被告人の利益に、罪刑法定主義を捨ててしまうことはできないと思います。
特に、罪刑法定主義について無視してもよいかのような法曹の議論には、疑問があります。
法律が不適切だ、という理解はわかるのですが、だからといって罪刑法定主義まで捨ててしまっていいかのような議論はすべきではないと思いました。
また、立証できない以上は被告人は無罪になることに理解をしてほしいと思います。
そうでなければ、刑事手続がそれこそ有罪ありきになってしまう。
無罪判決を書くことについて、裁判官に勇気を持たせる必要があると思うし、性犯罪被害者についての人権感覚が足りない!と裁判官を弾劾することには消極意見です。
性犯罪被害者の供述や言動にどういった傾向があるのか、ということについて、きちんと見識を持ってほしいなとは思いますが、だからと言って、それを前提としても立証できていない場合、それは裁判官が悪いのではなく、検察官や捜査機関が悪いんですよね。
児相の聴取が、万全でないことが結論に大きな影響を与えてしまうこともあるようですが、だからといって児相の権限を取り上げてしまえば今以上に救われるものも救われなくなる。
制度にいろいろな不備があるのは分かるけれど、だからこそ、何よりも、まだ有罪が確定していない段階においては、公権力により人権侵害をすることに謙抑的でなければならないと思います。
読書日記じゃなかったっけ…。
ではまた。