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#0710私は選ぶ ②

昨日の #0710私は選ぶ アクションの集会の写真が続々と。

その場にいるとあまりそういう感じはしませんでしたが,こうしてみると実はたくさんの人が集まったなぁと思います。

(このアクションのオフィシャルカメラマンの方の写真です。

二次加工等はご遠慮ください。)

 

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池田まきさんのうしろに「2/3議席を取らせない」というプラカを持っているのが私です。

暑さと立ちっぱなしだったのとでへろへろとしていますね…。

候補者の人など,長時間立って遊説をしている人は本当にすごいなぁと思います。

私が話した内容は以下の通りです。

 

私は野党に投票します。 
弁護士の皆川洋美と申します。北海道で生まれ,北海道で育ち,そして,今北海道にいる。みなさんと一緒に,この夏何ができるのか,答えはひとつ。

7月10日,野党に投票するしかありません。 
この選挙戦は,各候補者の方がたにとって負けられない戦いであることはもちろんのことでしょうが,この国の民主主義にとっての戦いでもあります。 
忘れもしない昨年9月19日,安倍政権は,いわゆる安全保障各法の成立を強行しました。 

法案は110時間以上の国会審議が行われましたが,大手メディアが行った世論調査で「賛成」が「反対」を上回ったものはありませんでした。もちろん,間接民主制度のもと,世論調査で反対が多くとも,「正当な選挙」で選ばれた議員が賛成すれば,法案は成立します。 
しかし,立憲主義のもと,憲法に違反する法律を作ることはできない。それなのに,安倍政権は,圧倒的多数の憲法学者が違憲であると評価した安全保障法制を,作ってしまったのです。

こんなことは,今の憲法で許されることではありません。 
そして,今,わたしたちの日本国憲法も同じ危険にさらされています。 
立憲主義は,それを保ち続けることに大きな意義があると理解せず,また,自分は立法府の長であるなどと,小学校の社会科からやり直した方がいいような安倍総理のもと,与党3分の2の議席を獲得してしまったらどうなるか。 
安保法制はもちろん,これまで守られてきた日本国憲法の理念そのものが覆されるような,そんな憲法改正が待っているのではないでしょうか。 
具体的にいえば,国防軍のことは,ほかの方がたがお話になっていますが,公の秩序などという権利者の独断で判断されてしまうもののために,こうして集まることも,意見を言うこともできなくなってしまう。そんな憲法改正をもくろんでいるのです。 
みなさんの記憶からは忘れられているかもしれませんが,安倍政権は当初,96条改正をもくろんでいました。これは,憲法改正の発議について,両院の3分の2の賛成を必要とするというものです。しかし,みなさんよく考えてみてください。

「全会一致」で成立するなどというのは本当にたくさんあります。記憶に新しいところでは,ヘイトスピーチ解消法は衆議院を全会一致で通過しています。このように国会での議論が尽くされれば,全会一致となることは可能です。

しかし,安倍政権は,その議論を尽くす,理解を得る。そして,全会一致となるような提案と手続きを執ることをはじめから放棄しようとして,96条の改正をもくろんだのです。 
民主主義とは,適正な情報のもとに,議論を尽くし,そして理解を得て,社会の在り方を決めていくことです。単なる多数決ではありません。

しかし,このままでは,民主主義が単なる多数決になってしまいます。それをどうにかしてとめるためにも。 
7月10日,私は選ぶ。

 

#0710私は選ぶ

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今日は,先日ご案内したこの集会に参加してきました。

 

 

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7月10日の参議院選挙で立候補を予定している

鉢呂吉雄さん,森つねとさん,徳永エリさんがそろい踏みです。

 

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先日の衆議院5区補欠選挙で,野党共闘の先駆けとなった池田まきさんも駆けつけました。

約300名が狭い大通公園に集まり,選挙前に野党候補全員がそろって話をする機会を作ることができました。

 

私もこの中で,憲法改正に反対する者として,お話をさせていただきました。

政治のことはわからないから,とそのままにしておくのではなくて,自分の望む社会はどのような社会なのか,それをかなえるためにはどういう政治参加をする必要があるのか。

そういったことを,さまざまな世代に伝えていけたらいいなと思っています。

 

結婚の条件というやつ

この間読んで,ああそういうことかと思ったので。

カリントボンボン「結婚の条件」

こちらは,Twitterのリツイート先をたどっていったか何かで,なんでこのblogにたどり着いたのかもよく覚えていないのですが,育児についていろいろと書いてあって面白かったので読み進めていました。
自分の育児に引き直したりなんだりすると本当に面白い。

そして,この「結婚の条件」という記事で,そうそう!と思ったのがこの部分。

わたしは結婚するまで6、7年くらい一人暮らしをしていました、一人暮らしだと家事も全部一人でやらなきゃいけないし、お金がないから外食せずに自炊をしていたけど一人分の食事を毎日作らなきゃいけないし、家賃も一人で払わなきゃいけないし、一人暮らしは楽しいけどコストパフォーマンスは悪かったです。しかし家事を一人で行うことの苦労や料理のスキル、部屋探しスキルや引越しスキルなどが身につき、お金はかかるけど得るものも色々ありました。
それで結婚したら家賃は折半だから一人分の負担は減ったし、生活費も、二人暮らしになったからといって一人暮らしの倍かかるというわけではなくて、1.5倍くらいにしかならないので、これも折半すると減ったし、家事も二倍になるわけではないから折半すると減ったし、支出が減ったから貯金も増えたし、結婚前はデートも週末しかできなかったのに(仕事で疲れ切っていたので平日のデートはしなかった)、なんと毎日恋人に会えるし、結婚生活まじすごくない⁈と思っていました。

いや,ほんとよくわかるこれ。って。
なんかコメント欄荒れてるから賛否両論なのはわかるんですけども,しみじみわかるなぁと。
私もそこそこ一人暮らし歴があったので,一人暮らしだといろんなことを自分でやらないといけないさみしさというかわびしさというか,そういうものと,自由と経験値との両方を味わってたのです。
一番ひどい時には,トイレの電球が切れたとき,踏み台がなくて,しばらく電気なしトイレだったとか。
それなのに,結婚したらすごいなって。
お金のこともそうだけど,結婚したら忙しくてもなんと毎日配偶者に会えるし,結婚生活まじすごい(笑)。
メールとか電話じゃなくて毎日会えるし,コミュニケーションもとれるし。
会うためのデート代がかからないのもすごい(笑)。

まぁ,家事のこともお金のことも,夫のくま氏ができた人だという話でもあるとは思いますが。
そして,くま氏のこともわたしのことも知っている人にとっては,今更なことだけど,仕事にも社会活動にも理解しかない。
土日や夜に仕事してても,カウンターやデモに行くって言ってもにこにこ笑って「いってらっしゃーい!」みたいな。むしろカウンターとかデモはついてきちゃうみたいな。
すごい人ですよ。みためはやさしめのくまさん。

くま氏と私の生活について細かく話すつもりはないけれど,くま氏はわたしが楽しく自分らしくいたらそれで自分も幸せだと思ってくれているし,わたしはわたしでくま氏が幸せになってくれたらいいなーと思って自分らしくいるようにしているし。
そのために,自分自身がそうありたいからというだけの気持ちで,例えば話をしたり,家事をしたり,仕事のフォローをしたり,お金を払ったり,遊んだりしてるのです。
なんかそんなことを毎日思いながら生活しているので,離婚事件も男女間の問題についても仕事をしているのですけど,どうしてこうなっちゃうのかな?って思ってしまう。
くま氏みたいな人と結婚できたのがすごいってことなのかもしれないけども。

ブログ読んで,ほうほうって思ったので,全然仕事関係ない話でした。

安倍政権NO!!北海道集会 ~政治を変える。市民が変える~

安保法制の強行採決から9か月…
参議院選挙を目の前に,今週末に行われる集会のご紹介です。

以下,引用です。

 

日時:6月19日(日)14:00~15:00
場所:大通公園西7丁目
▼スピーチ▼
参院選北海道選挙区予定候補3名
徳永エリ氏(民進党)
はちろ吉雄氏(民進党)
森つねと氏(日本共産党)
市民リレートーク
主催: ‪#‎0710私は選ぶアクション‬

2012年末に第2次安倍政権が発足してから、私たちの暮らしをおびやかす様々な問題が起こっています。

国民の6割以上が反対するなか強行可決された安全保障関連法をはじめ、原発、沖縄基地、経済格差、働くルール、TPP、社会福祉、保育問題、奨学金・学費、ヘイトスピーチなど、多くの国民の意志を無視し、独裁的に立憲主義をも無視して突き進んでいます。
 しかしこのことが野党共闘をすすめ、さらには野党と市民が一丸となり暴走する安倍政権を止めるチャンスになっています。
 2016年7月、決戦の参議院選挙です。それぞれのイシューで日頃活動している北海道のグループが、 この選挙を北海道から野党が2議席以上を勝ちとる選挙とするために、「 #0710私は選ぶアクション 」として連帯しています。
 #0710私は選ぶアクション は、選挙戦に向けて市民と野党が総決起をはかる場を設けます。野党は共闘!安倍政権から民主主義・立憲主義を取り戻す!主権者である私たちの意志は「安倍政権NO !!」なのだと示しましょう!
 
▼賛同団体▼(50 音順 6/11現在)
安保関連法に反対するママの会@北海道/安保法制廃止と立憲主義の回復をめざす市民の風・ 北海道/勝手連@旭川/最低賃金上げろデモ札幌/たかさき法律事務所9条の会/北海道反原発連合/北海道労働組合総連合/北海道商工団体連合会/Anti-TPP Hokkaido/C.R.A.C NORTH/UNITE & FIGHT HOKKAIDO(ユニキタ)
 
※本集会の賛同団体を募っています。
※合わせて賛同金募っています。
1口 2,000円
送金先:ゆうちょ銀行 記号 19080 番号 普)51109331 名義 ユニキタ「アクション賛同金」と明記下さい。本集会のほかアクションの行動に使わせていただきます。

引用終わり。
私も市民リレートークの中でお話をさせていただく予定になっています。
政治を変える。市民が変える。

「過労死・過労自殺・パワハラ110番」のお知らせ

今週末は,過労死・過労自殺・パワハラ110番全国一斉電話相談を実施致します。
1 名称
「過労死・過労自殺・パワハラ110番」全国一斉電話相談
  主催 「過労死110番」全国ネット・過労死弁護団全国連絡会議
2 相談内容
  過重労働・パワハラなどが原因で病気になったり,死亡に至ったりしたケースの補償に関する相談
  過重労働・パワハラなどをなくし,過労死・過労自殺を予防するための相談
3 相談スタッフ
  職場の自殺・過労死等労災に詳しい弁護士・医師・職業病専門家など
4 日時(電話相談受付時間)
  平成28年6月18日(土)午前10時~午後3時
  電話番号 011-261-7738
5 相談実施地域
  全国32都道府県

この110番から,お子さんや配偶者の方が過労死・過労自殺に至った方とつながり,
労災申立や安全配慮義務違反を理由とした民事の損害賠償請求に至ったケースが少なくありません。
また,当事務所では30年あまりの過労死問題にかかわる取り組みの実績があります。
この日に限らずご相談いただければと思いますが,この日は土曜日ですが電話相談をお受けしています。

最低賃金1500円活動について

北海道の地域別の最低賃金は,本日現在764円です。
先日,当事務所の事務職員募集で提示した時給は950円でした。
一方で,私は最低賃金1500円活動にも賛同をしています。
それについて思っていることをつらつらと。

●健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な金額について
※すべての数字について,第一次的資料にはあたっていません。
 社会学の場合にはアンケート先が第一次資料なのだとすれば,第二次的資料にもあたっていません。
 私があたっているのは,社会学者の人が第一次資料にあたって調査した結果を発表した書籍などの第二次資料,その第二次資料を受けた報道や報告なので,第三次資料ということになるかと思います。

詳細な報告については今後有料配布の予定であるということなので,そちらに目を通してからと思っていますが,「最低生活費試算調査」(若年単身者)が分かりやすいと思います。
労働者を対象に,生活実態調査と持ち物財調査を実施し,その結果を精査して生活に必要な費用を算出したという調査です(母数約1000)。

それによると,札幌市で若者(10代から30代)がきちんとした生活(後述)を送るためには,
男性225,002円,女性220,249円(各税等込)が必要であり,年額では約270万円となります。
この場合に想定している「きちんとした生活」は以下の通りです。

・白石区の25㎡の1DKのアパートに住み,家賃は34,000円(共益費含む)。通勤には地下鉄を利用している。
・冷蔵庫,炊飯器,洗濯機,掃除機,石油ストーブなどは,量販店で最低価格帯のものでそろえた。
・1か月の食費は,男性=約40,000円,女性=約32,000円。
・朝食は家でしっかりと食べ,昼食は,男性はコンビニなどでお弁当を買い(1食あたり500円),女性は昼食代を節約するために月の半分は弁当を持参。そのほか,月に2~3回,同僚や友人と飲み会・ランチに行っている。
・衣服については,男性は背広2着(約16,000円)を,女性はジャケット2着(約4,000円)とスカート3着(約2,000円)を着回している。
・休日は家で休養していることが多い。帰省なども含めて1泊以上の旅行は年に3~4回で,1回当たりの費用は3~4万円ほど。月に4回は,恋人や友人と遊んだり,映画・ショッピングに行ったりして,オフを楽しんでいる(1回2,000円)
この場合に,試算の月額を,賃金収入で得るとすると,時給換算で男性=1,295円,女性=1,267円(中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月173.8時間で除した)。さらに,一般の労働者の所定内労働時間(月149.3時間)で時給換算した場合には,男性で1,507円,女性で1,475円となる。

という報告から,時給換算した賃金が1500円程度というのは,必要な金額であろうと思うわけです。

●貧困解決のためのセーフティネットとしては最後は公助でもいい
これは個人的な思いですが,これは若者が単身で生活するために必要なのはいくらなのか,という調査です。
たとえば,介護しなければならない人を抱えているとか,あるいは奨学金の返済があるとか,あるいは子供を産み育てるということになると,もっと多くのお金が必要だったり,あるいは短い時間での労働が求められるということになります。
そうなると,そもそもこの「きちんとした生活」の前提である1日8時間の労働ができるかどうかということなど,前提が変わってきます。
その場合に不足するものについては,公助でフォローしていくところであろうとは思っています。
なので,「自分は1日4時間しか働けないから最低賃金1500円にしてほしい」という話をしたいわけではありませんし,貧困問題からこの問題を提起する人も,別に労働時間を半分にしたいから最低賃金を倍にしてほしいという話ではないはずです。
ただし,今平均年収などを出した時に,前述の最低生活費を超えていたとしても,それが長時間労働による時間外賃金の支払いによって実現されているということであれば,それには異議を唱えたいところです。

●最低賃金という方法をとるべきか
最低賃金は,賃金がこれを割ると違法です。
違法であるという評価を受けた効果は,使用者は,その最低賃金以上の賃金を支払わなければならないという義務を負うことになります。
これは,経営者である自分の首を絞めることにつながることはわかっています。
ぶっちゃけ,これを実現できるように,トリクルダウンじゃなくてボトムアップにしてほしい,というのがこの活動だと思っています。
大企業が内部留保を作れて,中小企業の倒産が相次ぐ,あるいは人件費を削って雇用を生み出してる,なんてのを解決してほしい。
っていうのは最賃1500円活動のコアにあると思っています。

表面に出てくるのは「最賃1500円」という言葉かもしれないけれど,
別に最賃1500円切ってる使用者を責めたいんじゃなくって,
使用者の主張としても,最賃1500円払えるようにしてよ,っていう活動だと。

過労死問題と同じで,ひとつの事業所だけが頑張っても競争の中で負けてしまう。
みんなが安価などを理由にアスベストを使っている中,アスベストを使わないようにした建設業者は競争で負けてしまったのと同じ。
それらと同じように,国と自治体と使用者と一体になって実現しないとどうにもならないのが労働をめぐる法規制なので,最低賃金という方法をとるとともに,これを実現するための方策を打ち立ててほしいです。

五月集会

先日,自由法曹団の五月集会に行ってきました。
今年は北海道開催ということで,分科会のお手伝いをしたりなんだり。
私は,憲法の全体会と,ヘイトスピーチの分科会に出席&報告をしました。

全国の弁護士との人権活動にかかる経験交流をすることの意義をあらためて感じるとともに,
「あー自分まだまだだなぁ」と思うばかりでした。
まぁ,自分は自分のペースで,自分がやろうと思えることをやっていくしかないのですけども。
キャパを超えてしまって迷惑をかけるのは依頼者の人たちなので,何もかも手を出すことは難しいなと思います。

そして,今週末は反原発連合がやっている道庁前行動200回目。
もちろん参加してきます。

ときに。
いたずらコメントが多いなぁと思って,承認制にしています。
私の活動に対して,さまざまなご意見があることはそうだろうと思うのですが,
私の友人を騙ってコメントされる方がおられます。
そして,その方が同一人物であるということもわかっています。
何か法的措置をとることも視野にありますし,いろいろ考えていただきたいところです。

ヘイトスピーチ対策法

本日付で,札幌弁護士会の会長声明も執行されました。

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律

いわゆるヘイトスピーチ解消法,ヘイトスピーチ対策法です。

私の私見については,新聞にも取り上げていただいたところでもありますが,
まずは,この法律によって,「ヘイトスピーチは違法だ」ということが
社会的に認められたことに大きな意義をみいだすべきであろうと考えています。
もちろん,不足している部分は多く,今後の調査等や,より実効的な制度たらしめるための改正も待たれます。
北海道にいる弁護士として,アイヌ民族の問題が外れていることについても,大いに不服があります。
理念法ができて,そこからその法律をどう武器にしていくのか。
過労死等防止対策推進法と同様,今後の丁寧な,かつ強気の活動が必要なのではないかと思います。

ヘイトスピーチ対策法の成立を踏まえての会長声明
札幌弁護士会のサイトからの閲覧の場合はこちら

1 近時、わが国内において、排外主義的主張を標榜する団体による在日外国人の排斥等を主張する示威行動等(いわゆるヘイトスピーチ)が繰り返し行われている。
ここ札幌においても、大通公園周辺や札幌雪まつり会場等において「朝鮮人を皆殺しにしろ」「身の回りでご不要な南朝鮮人、腐れ朝鮮人がございましたら、車までご合図願います、どんな状態でも処分いたします」といった、聞くに堪えない内容のヘイトスピーチが繰り返されている。
2 かかるヘイトスピーチは、対象となる人々を畏怖させ、憲法第13条が保障する個人の尊厳や人格権を根本から傷付けるとともに、憲法第14条に定める法の下の平等の理念をも踏みにじるものである。
わが国が1979年に批准した国際人権規約(自由権規約)第20条2項は、「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道を法律で禁止する」ことを締約国に求めている。また、わが国が1995年に加入した人種差別撤廃条約の第2条1項(d)も、立法を含む全ての適当な方法により、いかなる個人、集団又は組織による人種差別についても禁止し、終了させることを、締約国の義務としている。
このように、憲法および国際人権法からみても、国及び地方公共団体は、ヘイトスピーチを根絶するための積極的な法的措置をとる責務がある。
3 上記背景のもと、平成28年5月24日、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(以下「本法律」という)」が成立した。
本法律は、前文において、ヘイトスピーチの対象となっている人々が「多大な苦痛を強いられている」とした上で「このような不当な差別的言動はあってはならず」と宣言し、同第1条は、「不当な差別的言動の解消が喫緊の課題である」としている。
ヘイトスピーチによる被害の甚大さを認め、これへの対処を緊急の課題と位置付けた本法律が制定されたことには、大きな意義がある。
4 とはいえ、本法律の内容についてはいくつかの懸念・課題がみられることも事実である。
まず、本法律はヘイトスピーチが禁止されると明示的に宣言してはいないところ、これまで国や地方自治体がヘイトスピーチの抑制に極めて消極的であったことに照らすと、ヘイトスピーチの禁止を明示的に宣言していない本法律によるヘイトスピーチ抑止の実効性には、疑問なしとしない。
また、本法律は、ヘイトスピーチの対象となる被害者について「本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」と定義しているところ、かかる定義を設けたことは、例えばアイヌ民族等の少数民族等や、正式な在留資格が認められていない外国人等に対するヘイトスピーチであれば許容されるとの誤解を招きかねない。
加えて、本法律は、第4条において、国には不当な差別的言動の解消に向けた取組を行う責務があるとしながら、地方公共団体については努力義務のみにとどめているが、単なる努力義務では足りないというべきである。
5 以上のような懸念・課題に対して、参議院の法務委員会では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外のものであればいかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤りであること、地方公共団体においても国と同様に不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を着実に実施すること等を内容とする附帯決議がなされた。かかる附帯決議は、本法律の解釈運用の指針を示すにふさわしいものである。
また、本法律の附則に「不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における本邦外出身者に対する不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。」との規定が設けられており、今後、必要に応じて本法律の改正も検討されるべきである。
6 当会は、本法律の制定に尽力された関係者の方々に敬意を表するとともに、今後もヘイトスピーチの根絶に向けて全力を尽くしていく決意を表明する。
2016年(平成28年)5月27日
札幌弁護士会
会長 愛須 一史

ゴールデンウィークが終わって

ゴールデンウィークが終わり,平日が始まりましたね。
みなさんはゴールデンウィーク,どのように過ごされましたか?

当事務所は大型連休をいただき,今日から仕事を始めております。

今年のゴールデンウィーク,私は,殆ど札幌で過ごしました。
自分の実家も夫の実家も札幌なので,お気楽です。
東京での仕事が1つありましたが,その他はずっと札幌!

仕事をしたり,仕事終わりの夫と映画を観たり。
普段よりはぼんやりと過ごしたような気がします。

そして,仕事の合間に?課外活動も…。
5月1日はメーデー
5月3日は憲法集会
5月5日は原発廃止デモ
そして昨日はTPP反対デモ
東京にいたら,TRPにも行きたかったとは思いますが,
体力温存のため札幌におりました。

そして,このお休みに観た映画のひとつがズートピア。
ネタバレになると困るので,なかなかうまく表現できませんが…

「あなたは他の狐とは違う」

という主人公のウサギさん,ジュディの言葉に傷つくキツネのニックの構図。
これが,「自分は差別なんかしない」と思っているひとの中にあるんだよな,っていうのが
痛いなぁ苦しいなぁ辛いなぁと思いました。

同じカテゴリにいる者達に対する偏見が,差別が,思い込みがあることが前提になっての
「あなたは他の●●とは違う」
という言葉は,偽善だと気づかぬ言葉でしかないのですよね。
そんなことを思いました。

十分にお休みをいただいた一方で,携帯電話が使えなくなるという残念な事態も発生…
ブログで書くのも恐縮ですが,私と連絡がつかないぞ,という方がおられましたら,
電話番号は変わっておりませんので,SMS等でご連絡いただけると幸甚です…。

ヘイト問題へ北海道の大きな一歩~ヘイトスピーチ等への対策を求める意見書採択~

ご紹介が遅れましたが,先日,ヘイトスピーチ等への対策を求める北海道議会意見書が全会一致で採択されましたので。ご紹介です。
事前に意見交換もさせていただきましたが,基本的な理念はひとつ。
ヘイトは許せない。
わたしたちの住む街に,ヘイトは要らない。


意見案第4号 ヘイトスピーチ等への対策を求める意見書

国連人種差別撤廃委員会は、一昨年、日本政府に対し、いわゆるヘイトスピーチの広がりや、デモ・集会やインターネットを含むメディアによる人種差別的暴力と扇動の広がりに懸念を示すとともに、「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の締約国である我が国に対し、このような差別的言動への適切な措置をとるべきとの勧告を行った。
言うまでもなく、人種、皮膚の色、世系または民族的もしくは種族的出身の違いを理由として、その属性を有する集団や個人に対し、差別、憎悪、暴力を扇動し、またら屈辱する行為は決して許されるものではなく、条約締約国である我が国は、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策や人種間の理解を促進する政策を遅滞なく行う基本的義務を有する。
近年、我が国を訪れる外国人観光客は著しく増加し、昨年は、訪日外国人が年間1900万人を超え、また、2020年には、東京オリンピック・パラリンピックも開催される。
我が国では、これまでも外国人に対する差別や偏見をなくす啓発活動等に取り組んできたところであるが、このような国内外の情勢を踏まえ、国際社会における我が国の信頼を損なうことのないよう、適切な措置を講ずる必要がある。
よって、国においては、表現の自由や言論の自由に十分に配慮しつつも、人種差別の解消に向けた基本法等の整備を含む実効性のある対策を早急に実施するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により提出する。
平成28年3月24日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣 各通
北海道議会議長 遠藤 連

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