契約トラブル学習会でお話をしてきました
昨日は,札幌北部民商篠路支部主催の学習会でお話をしてきました。
その名も「契約トラブル学習会」!
篠路支部は一人親方で請負で仕事をしている会員が多いということで,
請負契約の報酬回収にまつわるトラブルのことをメインにお話してきました。
7時から皆川弁護士による契約トラブル学習会ですよ~まだ間に合うよ
千葉 喬さんの投稿 2016年6月22日
こんな感じ・あんな感じの雰囲気でした(笑)。
一人親方の場合に多いのが,きちんと契約書を交わしていないことによるトラブル,
そして,元請の支払いが滞ることによるトラブルでした。
契約書を交わしていないことによるトラブルについては,事前の防ぎようがありますが,
元請が破産してしまったような場合のトラブルについては,
①担保による回収が一部でも可能であるかどうか検討する
②裁判所からきた書類を確認して債権額に誤りがないか確認する
という手段が考えられますが,逆に言うとその限りでしか対応できません。
また,保証会社による保証が受けられる分類のものもあるので,そちらを確認する必要もあります。
破産手続きに入ってしまうと,いったいどうなっているのかわからなくて困るという声も多く聞かれますが,見通しや自分の行使できる権利についてきちんと把握しておけば,回収率を上げることができる可能性もあります。
契約トラブルへの備えはもちろん,相手が倒産してしまった場合にも,何か打てる手があるかもしれませんから,弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
「婚姻費用支払義務者が無職になったら?」~検索ワードで記事を書くシリーズ~
以前,婚姻費用について,以下のような記事を書いたことがあります。
無職になるということは,この記事にも書いた,婚姻費用支払義務者の収入がゼロとしてカウントされるということです。
これは,養育費でも婚姻費用でも同じで,また,職業が変わって,収入が増えたり減ったりといった,計算式の中に入れるべき内容が変わった場合,金額は変わってきます。
このほか,養育費の場合には,ほかに扶養するべき家族ができた(再婚した,新しいパートナーとの間に子供が生まれた等),
あるいはいなくなった(亡くなった場合など。子供が成人することについては織り込み済みの場合が多いです)ということでも計算の中に入れるべき内容が変わってくるので,
養育費の金額も変わってきます。
そして,検索ワードで検索してこられた支払義務者の方が望んでいた答えとしては,婚姻費用減額の調停を申し立てれば,婚姻費用はゼロになる!ということでしょうが,
一方で,例えば計画的に無職になった場合だとか,自営業の方であえてゼロ申告したような場合については,この限りではないこともあります。
そのため,婚姻費用支払義務者が無職になったからということだけで,必ず婚姻費用がゼロになるとは言えません。
そのため,「正当な」金額が決められることになる,という結論になるわけです。
また,差し押さえの件についてですが,支払を受ける側としては差し押さえ時にある最新の調停調書等の判決と同じ効力のある書面があれば,手続きをすることができます。
また,裁判所としても,その後に口頭での合意があったかどうか,双方の経済状態が調停の時と同じかどうかということについてまで確認して差し押さえをするわけではありません。
口頭で理解を得たということをお話される方もいますが,その理解を得た,合意をしたということを裏付ける証拠がなければ差し押さえをとめることはできません。
(もしあれば話は違ってきますが,そのような書面を作るなどしているのに差し押さえをすることは考えにくいですよね)
その結果新たな合意がない限りは裁判所としても差し押さえを続けるという結論になるわけです。
婚姻費用の支払いのこと,養育費の支払いのことについてお悩みの場合には,こうしてブログ記事で調べるのもいいですが,やはりひとまずご相談いただくのがいいと思います。
#0710私は選ぶ ③
今日は参議院選挙の公示日!
今朝は,現職徳永エリさんの第一声を聞きに赤レンガテラス前に行ってきました。
皆川 洋美さんの投稿 2016年6月21日
徳永エリさんの基本政策は,
①平和主義
②TPP阻止
③格差是正
④脱原発
という4つです。
今日のこれからの予定ですが,
だそうです。
ぜひ足を止めて,彼女の話を聞いてみてください。
#0710私は選ぶ ②
昨日の #0710私は選ぶ アクションの集会の写真が続々と。
その場にいるとあまりそういう感じはしませんでしたが,こうしてみると実はたくさんの人が集まったなぁと思います。
(このアクションのオフィシャルカメラマンの方の写真です。
二次加工等はご遠慮ください。)
池田まきさんのうしろに「2/3議席を取らせない」というプラカを持っているのが私です。
暑さと立ちっぱなしだったのとでへろへろとしていますね…。
候補者の人など,長時間立って遊説をしている人は本当にすごいなぁと思います。
私が話した内容は以下の通りです。
私は野党に投票します。
弁護士の皆川洋美と申します。北海道で生まれ,北海道で育ち,そして,今北海道にいる。みなさんと一緒に,この夏何ができるのか,答えはひとつ。
7月10日,野党に投票するしかありません。
この選挙戦は,各候補者の方がたにとって負けられない戦いであることはもちろんのことでしょうが,この国の民主主義にとっての戦いでもあります。
忘れもしない昨年9月19日,安倍政権は,いわゆる安全保障各法の成立を強行しました。
法案は110時間以上の国会審議が行われましたが,大手メディアが行った世論調査で「賛成」が「反対」を上回ったものはありませんでした。もちろん,間接民主制度のもと,世論調査で反対が多くとも,「正当な選挙」で選ばれた議員が賛成すれば,法案は成立します。
しかし,立憲主義のもと,憲法に違反する法律を作ることはできない。それなのに,安倍政権は,圧倒的多数の憲法学者が違憲であると評価した安全保障法制を,作ってしまったのです。
こんなことは,今の憲法で許されることではありません。
そして,今,わたしたちの日本国憲法も同じ危険にさらされています。
立憲主義は,それを保ち続けることに大きな意義があると理解せず,また,自分は立法府の長であるなどと,小学校の社会科からやり直した方がいいような安倍総理のもと,与党3分の2の議席を獲得してしまったらどうなるか。
安保法制はもちろん,これまで守られてきた日本国憲法の理念そのものが覆されるような,そんな憲法改正が待っているのではないでしょうか。
具体的にいえば,国防軍のことは,ほかの方がたがお話になっていますが,公の秩序などという権利者の独断で判断されてしまうもののために,こうして集まることも,意見を言うこともできなくなってしまう。そんな憲法改正をもくろんでいるのです。
みなさんの記憶からは忘れられているかもしれませんが,安倍政権は当初,96条改正をもくろんでいました。これは,憲法改正の発議について,両院の3分の2の賛成を必要とするというものです。しかし,みなさんよく考えてみてください。
「全会一致」で成立するなどというのは本当にたくさんあります。記憶に新しいところでは,ヘイトスピーチ解消法は衆議院を全会一致で通過しています。このように国会での議論が尽くされれば,全会一致となることは可能です。
しかし,安倍政権は,その議論を尽くす,理解を得る。そして,全会一致となるような提案と手続きを執ることをはじめから放棄しようとして,96条の改正をもくろんだのです。
民主主義とは,適正な情報のもとに,議論を尽くし,そして理解を得て,社会の在り方を決めていくことです。単なる多数決ではありません。
しかし,このままでは,民主主義が単なる多数決になってしまいます。それをどうにかしてとめるためにも。
7月10日,私は選ぶ。
#0710私は選ぶ
今日は,先日ご案内したこの集会に参加してきました。
7月10日の参議院選挙で立候補を予定している
鉢呂吉雄さん,森つねとさん,徳永エリさんがそろい踏みです。
先日の衆議院5区補欠選挙で,野党共闘の先駆けとなった池田まきさんも駆けつけました。
約300名が狭い大通公園に集まり,選挙前に野党候補全員がそろって話をする機会を作ることができました。
私もこの中で,憲法改正に反対する者として,お話をさせていただきました。
政治のことはわからないから,とそのままにしておくのではなくて,自分の望む社会はどのような社会なのか,それをかなえるためにはどういう政治参加をする必要があるのか。
そういったことを,さまざまな世代に伝えていけたらいいなと思っています。
結婚の条件というやつ
この間読んで,ああそういうことかと思ったので。
こちらは,Twitterのリツイート先をたどっていったか何かで,なんでこのblogにたどり着いたのかもよく覚えていないのですが,育児についていろいろと書いてあって面白かったので読み進めていました。
自分の育児に引き直したりなんだりすると本当に面白い。
そして,この「結婚の条件」という記事で,そうそう!と思ったのがこの部分。
いや,ほんとよくわかるこれ。って。
なんかコメント欄荒れてるから賛否両論なのはわかるんですけども,しみじみわかるなぁと。
私もそこそこ一人暮らし歴があったので,一人暮らしだといろんなことを自分でやらないといけないさみしさというかわびしさというか,そういうものと,自由と経験値との両方を味わってたのです。
一番ひどい時には,トイレの電球が切れたとき,踏み台がなくて,しばらく電気なしトイレだったとか。
それなのに,結婚したらすごいなって。
お金のこともそうだけど,結婚したら忙しくてもなんと毎日配偶者に会えるし,結婚生活まじすごい(笑)。
メールとか電話じゃなくて毎日会えるし,コミュニケーションもとれるし。
会うためのデート代がかからないのもすごい(笑)。
まぁ,家事のこともお金のことも,夫のくま氏ができた人だという話でもあるとは思いますが。
そして,くま氏のこともわたしのことも知っている人にとっては,今更なことだけど,仕事にも社会活動にも理解しかない。
土日や夜に仕事してても,カウンターやデモに行くって言ってもにこにこ笑って「いってらっしゃーい!」みたいな。むしろカウンターとかデモはついてきちゃうみたいな。
すごい人ですよ。みためはやさしめのくまさん。
くま氏と私の生活について細かく話すつもりはないけれど,くま氏はわたしが楽しく自分らしくいたらそれで自分も幸せだと思ってくれているし,わたしはわたしでくま氏が幸せになってくれたらいいなーと思って自分らしくいるようにしているし。
そのために,自分自身がそうありたいからというだけの気持ちで,例えば話をしたり,家事をしたり,仕事のフォローをしたり,お金を払ったり,遊んだりしてるのです。
なんかそんなことを毎日思いながら生活しているので,離婚事件も男女間の問題についても仕事をしているのですけど,どうしてこうなっちゃうのかな?って思ってしまう。
くま氏みたいな人と結婚できたのがすごいってことなのかもしれないけども。
ブログ読んで,ほうほうって思ったので,全然仕事関係ない話でした。
安倍政権NO!!北海道集会 ~政治を変える。市民が変える~
参議院選挙を目の前に,今週末に行われる集会のご紹介です。
以下,引用です。
2012年末に第2次安倍政権が発足してから、私たちの暮らしをおびやかす様々な問題が起こっています。
引用終わり。
私も市民リレートークの中でお話をさせていただく予定になっています。
政治を変える。市民が変える。
「過労死・過労自殺・パワハラ110番」のお知らせ
この110番から,お子さんや配偶者の方が過労死・過労自殺に至った方とつながり,
労災申立や安全配慮義務違反を理由とした民事の損害賠償請求に至ったケースが少なくありません。
また,当事務所では30年あまりの過労死問題にかかわる取り組みの実績があります。
この日に限らずご相談いただければと思いますが,この日は土曜日ですが電話相談をお受けしています。
最低賃金1500円活動について
北海道の地域別の最低賃金は,本日現在764円です。
先日,当事務所の事務職員募集で提示した時給は950円でした。
一方で,私は最低賃金1500円活動にも賛同をしています。
それについて思っていることをつらつらと。
●健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な金額について
※すべての数字について,第一次的資料にはあたっていません。
社会学の場合にはアンケート先が第一次資料なのだとすれば,第二次的資料にもあたっていません。
私があたっているのは,社会学者の人が第一次資料にあたって調査した結果を発表した書籍などの第二次資料,その第二次資料を受けた報道や報告なので,第三次資料ということになるかと思います。
詳細な報告については今後有料配布の予定であるということなので,そちらに目を通してからと思っていますが,「最低生活費試算調査」(若年単身者)が分かりやすいと思います。
労働者を対象に,生活実態調査と持ち物財調査を実施し,その結果を精査して生活に必要な費用を算出したという調査です(母数約1000)。
それによると,札幌市で若者(10代から30代)がきちんとした生活(後述)を送るためには,
男性225,002円,女性220,249円(各税等込)が必要であり,年額では約270万円となります。
この場合に想定している「きちんとした生活」は以下の通りです。
・朝食は家でしっかりと食べ,昼食は,男性はコンビニなどでお弁当を買い(1食あたり500円),女性は昼食代を節約するために月の半分は弁当を持参。そのほか,月に2~3回,同僚や友人と飲み会・ランチに行っている。
という報告から,時給換算した賃金が1500円程度というのは,必要な金額であろうと思うわけです。
●貧困解決のためのセーフティネットとしては最後は公助でもいい
これは個人的な思いですが,これは若者が単身で生活するために必要なのはいくらなのか,という調査です。
たとえば,介護しなければならない人を抱えているとか,あるいは奨学金の返済があるとか,あるいは子供を産み育てるということになると,もっと多くのお金が必要だったり,あるいは短い時間での労働が求められるということになります。
そうなると,そもそもこの「きちんとした生活」の前提である1日8時間の労働ができるかどうかということなど,前提が変わってきます。
その場合に不足するものについては,公助でフォローしていくところであろうとは思っています。
なので,「自分は1日4時間しか働けないから最低賃金1500円にしてほしい」という話をしたいわけではありませんし,貧困問題からこの問題を提起する人も,別に労働時間を半分にしたいから最低賃金を倍にしてほしいという話ではないはずです。
ただし,今平均年収などを出した時に,前述の最低生活費を超えていたとしても,それが長時間労働による時間外賃金の支払いによって実現されているということであれば,それには異議を唱えたいところです。
●最低賃金という方法をとるべきか
最低賃金は,賃金がこれを割ると違法です。
違法であるという評価を受けた効果は,使用者は,その最低賃金以上の賃金を支払わなければならないという義務を負うことになります。
これは,経営者である自分の首を絞めることにつながることはわかっています。
ぶっちゃけ,これを実現できるように,トリクルダウンじゃなくてボトムアップにしてほしい,というのがこの活動だと思っています。
大企業が内部留保を作れて,中小企業の倒産が相次ぐ,あるいは人件費を削って雇用を生み出してる,なんてのを解決してほしい。
っていうのは最賃1500円活動のコアにあると思っています。
表面に出てくるのは「最賃1500円」という言葉かもしれないけれど,
別に最賃1500円切ってる使用者を責めたいんじゃなくって,
使用者の主張としても,最賃1500円払えるようにしてよ,っていう活動だと。
過労死問題と同じで,ひとつの事業所だけが頑張っても競争の中で負けてしまう。
みんなが安価などを理由にアスベストを使っている中,アスベストを使わないようにした建設業者は競争で負けてしまったのと同じ。
それらと同じように,国と自治体と使用者と一体になって実現しないとどうにもならないのが労働をめぐる法規制なので,最低賃金という方法をとるとともに,これを実現するための方策を打ち立ててほしいです。