「経営者が無能」

まさにその通りだと思います。

 

電通に対して,JRAが指名停止をするということが報道されましたね。

JRAは国が全額出資する法人であることから,今回の労基法違反事件を受けて,

違法行為を摘発されるなどした場合に指名から除外することになっているようです。

また,滋賀県が同様の手続を執ろうとしているという報道もありました。

 

労働基準法は強行法規の部分がある法律です。

これに違反することは「違法」であり,「無効」であり,

社会的非難に値するのみならず,刑事処分の対象にもなりえます。

 

過労死等防止対策推進法は,強行法規ではないものの,「過労死」を生む企業が

「異常である」「違法である」,「過労死そのものが社会において問題視されている」という

強いメッセージ性を持つ法律です。

これまで,労基法違反の企業など(という言い方をするのもよくないのかもしれませんが)

本当にたくさんありました。

そして,それに対して労基署が1つ1つ摘発していたかというとそうでもないのが現実です。

しかし,時代は移り変わり,労基法違反の結果過労死を生み出した企業となると,話は別になってきています。

都度,真相究明と責任追及をしていくという流れは今度の潮流となっていくのではないでしょうか。

 

電通過労死の遺族代理人・川人博弁護士「経営者が無能」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197379

 

川人先生は,私が幹事を拝命している過労死弁護団全国連絡会議の幹事長です。

過労死案件を扱っていて感じる傾向は川人先生と変わりません。

若い人や女性の案件が間違いなく増加しています。

 

かつて過労死は,働き盛りの男性に特有の事件ではないかと思っていました。

私が弁護士を志したきっかけでもある「日本は幸福か」でも,

女性や若い人の案件というのはほとんどなかったように記憶しています。

 

しかし,時代のフェーズが変わり,私が弁護士になってからの過労死案件は,

働き盛りの男性の案件だけではなかったのです。

 

 

今年も4月には過労死弁護団の幹事会があり,事案報告や社会情勢分析などをしてまいります。

過労死弁護団という組織がいつか発展的になくなるために,尽力したいと思います。

講義をしてみて思ったこと

昨年は,例年になく,講演を依頼されたり,セミナー講師をしたりすることが多かったように思います。

 

 

これは,一般社団法人 北海道女性支援協会主催の,女性創業スクールにおいて,

法律部門の講義をした写真です。

 

具体的な人数を数えるのを忘れてしまいましたが,定員いっぱいに集まった起業をめざす,あるいは起業して間もない女性たちに講義をしています。

なんだか真面目に話しているように見えますが,真面目に話しています。

 

ただ,法律というのは具体例がないとなぜその条項が問題になるのかわかりづらいので,

例を交えているために,堅苦しいところとラフなところが入り混じっています。

同協会の理事長からは「皆川が大変皆川らしくてよかった」という評価をいただきました(笑)。

 

起業を目指す方が陥りやすいポイントを,他士業の女性と手分けして,講義をしたのですが,

社会保険関係や税務関係について,資格としてはできるとしても,

私は同協会に所属する社労士さんや税理士さんに比べたら何にも知りません。

そういった意味で,異業種・他業種の人と一緒に一連の講義をするというのは

大変有意義なことなのだと改めて感じる機会となりました。

 

北海道女性支援協会のウェブサイトはこちら⇒http://www.lady-so.org/

 

同協会では,職場環境を整えることで,女性従業員の定着を目指す訪問型セミナーも行っています。

詳しくは下記をご覧ください。

http://www.lady-so.org/single-post/571f30fb0cf228a96f12f752

 

今年もまた面白くて役に立つ講義ができるように頑張ります(∩´∀`)∩

\ 新年の書き初め /

あけましておめでとうございます。

アメブロの機能に,書初めというのがあったので使ってみました。

 

富士山​ 私の2017年の書き初め 富士山

\ 2017年 /
書き初めメーカー

鳥 新年の書き初めをしよう 鳥

 

飛躍!

 

良い言葉ですね~。

あんまりキラキラした言葉を使うのは得意ではありませんが,

飛躍の年になるよう,ひとつひとつ頑張っていきたいと思います。

 

今年もまたよろしくお願いいたします。

 

司法修習生関連経費について

12月22日に平成29年度予算が閣議決定されました。

これには以下の記載がありました。

 

4 司法修習生関連経費 (54.8 億円 → 46.6 億円)
骨太方針 2016 における記載事項等を踏まえ、司法修習生に対する経済的支援に関して、
貸与制から給付と貸与を併用する新たな仕組みに移行することとし、所要の経費を措置。
(参考1)「法科大学院に要する経済的・時間的負担の縮減や司法修習生に対する経済的支
援を含む法曹人材確保の充実・強化等を推進する。」(「骨太方針 2016」(28 年6月2日
閣議決定)、「未来への投資を実現する経済対策」(28 年8月2日閣議決定))
(参考2)法務省、最高裁、日弁連間の確認事項(「司法修習生に対する経済的支援につい
て」(28 年 12 月 19 日法務省公表))
○ 29 年度以降に採用される予定の司法修習生に対する給付制度を新設する。
○ 給付金額の概要は以下のとおり。
・基本給付 司法修習生に一律月額 13.5 万円
・住居給付 月額 3.5 万円(修習期間中に住居費を要する司法修習生を対象)
・移転給付 旅費法の移転料基準に準拠して支払
 ○ 現行の貸与制は、貸与額等を見直した上で、新設する給付制度と併存させる。
○ 給付制度の導入に合わせ、司法修習の確実な履践を担保するとともに、司法修習を
終えた者による修習の成果の社会還元を推進するための手当てを行う。

 

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/07.pdf

71期からの司法修習生が少なくとも生活に困窮することのないよう,対応をされたものと思います。

来年こそ,谷間の世代も含めた解決ができるようにがんばらなければならないようです。

71期司法修習生から 経済的支援について

昨日,読売新聞の記事から,法務省の記者会見までの数時間が長く感じられて仕方がありませんでした。

司法修習生の給費復活…ではないですが,経済的支援策についての報道がありました。

 

○日本経済新聞/司法修習生に生活費給付 月13.5万円、来年度から

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19HC7_Z11C16A2CR8000/

法務省は19日、司法試験に合格した司法修習生に対し、生活費などとして月13万5千円を一律給付する新たな制度を来年度から導入すると発表した。現在は一定額を無利子で貸し、分割返済してもらう「貸与制」だが、支援策を充実させて低迷する法曹志願者の増加につなげるのが狙い。貸与制も併存させる。

 司法試験合格者は裁判官や検察官、弁護士になるため司法研修所で実務研修を受ける。この間原則収入はなくなる。かつては修習生に月約20万円やボーナスを支払う給費制度があったが、財政負担抑制などの理由から2011年に貸与制に変更された。

 新制度では月ごとの一律給付に加え、修習のために賃貸住宅に住む場合などに月3万5千円を上乗せする。引っ越し代も一部支払う。

 法務省は制度変更に必要な裁判所法改正案を来年の通常国会に提出する。関連費用は来年度の最高裁予算案に盛り込まれる見通し。

 今年の司法試験の受験者数は6899人と前年から1117人減った。

 

○毎日新聞/

司法修習生 月額13万5000円給付制度新設へ 法務省

http://mainichi.jp/articles/20161220/k00/00m/040/054000c

法務省は19日、裁判官、検察官、弁護士になるために司法研修所などで約1年間学ぶ司法修習生に対し、一律月額13万5000円を給付する制度を新設する方針を明らかにした。希望する修習生に国が資金を貸し付ける現行の「貸与制」を見直すことによって、経済的負担から法曹希望者が減るのを食い止める狙いがある。新制度の内容を盛り込んだ裁判所法の改正案を来年の通常国会に提出する。

 改正案が成立すれば、来年度以降に修習生となる司法試験合格者から新制度が採用される予定。月額13万5000円の給付のほか、修習期間中にアパートを賃借するなど住居費が必要な修習生には月額3万5000円も給付される。現行の貸与制も貸与額を見直し、新制度と併用できる。

 修習生の経済的支援を巡っては、月額約20万円の給与を支給する「給費制」が2011年、国の財政負担の軽減を理由に廃止された。代わって無利息で月額18万~28万円の貸し付けを受けられ、修習が終わった5年後から返済を10年間で完了する貸与制が導入された。

 法曹希望者は、法科大学院修了者の司法試験合格率が低迷していることなどを背景に激減している。法科大学院の志願者数は04年度に7万2800人だったが、今年度は8274人。こうした状況から政府は6月、「司法修習生に対する経済的支援を含む法曹人材確保の充実・強化を推進する」と閣議決定。最高裁、法務省、日本弁護士連合会が対応策を検討していた。【鈴木一生】

 

司法修習生 給付金、月13万円 希望者激減で復活

http://mainichi.jp/articles/20161220/ddm/012/010/026000c

 

○NHK NEWS WEB/司法修習生に給付金 来年度からの導入決める

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161220/k10010812891000.html

 

○共同通信/司法修習生に一律月13万円 11年廃止の「給費制」復活
https://this.kiji.is/183569596283781127?c=39546741839462401

 

○時事通信/司法修習生に生活費給付 来年度予算に10億円 政府
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121900865&g=soc

 

○弁護士ドットコム/

司法修習生に新たな「給費制」、日弁連会長「法曹志望者の確保にとって前進」
https://www.bengo4.com/internet/n_5491/

司法修習、新たな「給費制」に歓迎の声、「安心して専念できる環境を」
https://www.bengo4.com/internet/n_5490/

 

 

また,これに伴い,日弁連の会長談話も公表されました。

 

●司法修習生の経済的支援の制度方針の発表にあたっての会長談話

本年12月19日、法務省は、司法修習生の経済的支援策に関し、法曹三者での協議を踏まえ、平成29年度以降に採用される予定の司法修習生(第71期以降)に対する新たな給付制度を新設する制度方針を発表した。

2011年に司法修習生に対する給費制が廃止され、修習資金を貸与する制度に移行してから5年が経過した。この間、司法修習生は、修習のために数百万円の貸与金を負担するほか、法科大学院や大学の奨学金の債務も合わせると多額の債務を負担する者が少なからず存在する。近年の法曹志望者の減少は著しく、このような経済的負担の重さが法曹志望者の激減の一因となっていることが指摘されてきた。

司法制度は、三権の一翼として、法の支配を社会の隅々まで行き渡らせ、市民の権利を実現するための社会に不可欠な基盤であり、法曹は、その司法を担う重要な役割を負っている。このため国は、司法試験合格者に法曹にふさわしい実務能力を習得させるための司法修習を命じ、修習専念義務をも課している。ところが、法曹養成の過程における経済的負担の重さから法曹を断念する者が生じていることは深刻な問題であり、司法を担う法曹の人材を確保し、修習に専念できる環境を整備するための経済的支援が喫緊の課題とされてきたものである。

この間、多くの国会議員から、司法修習生への
経済的支援の創設に賛同するメッセージが寄せられ、また国民からも多数の署名が寄せられるなど、新たな経済的支援策の実現を求める声が高まっている。

このような状況を踏まえ、法務省が新たな経済的支援策についての制度方針を発表した意義は重要である。日弁連はこれまで、法曹人材を確保するための様々な取組を行ってきており、その一環として、修習に専念しうるための経済的支援を求めてきたものであり、今回の司法修習生に対する経済的支援策についてはこれを前進と受け止め、今後も、法曹志望者の確保に向けた諸々の取組を続けるとともに、弁護士及び弁護士会が司法の一翼を担っていることを踏まえ、今後もその社会的使命を果たしていく所存である。

2016年(平成28年)12月19日

日本弁護士連合会

会長 中本 和洋

 

65期から70期までの谷間の世代をどうするのか,という問題は確かに残るかもしれませんが,

貸与世代の弁護士たちが一生懸命活動した結果,経済的支援がなされるようになる(予定)であることは,

忘れてはならないと考えます。

また,私も給費最後の世代とならずにすむよう,今後も活動を続けて行こうと思います。

お題を与えてもらえるので

Legalusというサイトに登録をしてみました。

 

https://legalus.jp/hokkaido/sapporoshi/sapporoshichuoku/lo_10550/lawyer_44627

私のページはこちらです。

 

お題を与えられてコラムなんかも書けるようなので,ブログとも連動して発信していってみようかなーと思っています。

いわゆるカジノ法案のことについて

最近,IR推進法案!という名前で騒がれている,いわゆるカジノ法案のことについてお話します。
 

 

IR推進法案とは,

Integrated Resort

「統合型リゾート」に関する法律です。

 

第一条
この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。

 

ざっくりいうと,マカオなどで実際にあるのですが,カジノの併設を認める区域を指定されて設置されるホテルやショッピングモール,レストラン,アミューズメント施設などと一体になった複合観光集客施設を作ることについて認める法律です。
カジノ目当てに行こうとする人が増えることを見込んで,同じ地域にある観光施設に集客をしようというものですね。

 

とはいえ,現在,日本ではいわゆるカジノは違法です。

刑法で,賭博及び富くじに関する罪として規定されています。

 

(賭博)
第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。
ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

(富くじ発売等)
第187条
1 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

 

 

この「富くじ」というのも,ぱっと読んだら,

 

「あれ?これって宝くじのことじゃない?」

って思いませんか?

 

そうです。宝くじは,「当選金付証票法」という法律に基づいて発行される富くじなんです。

しかし,これは,原則として犯罪なんだけれども,特別な法律を作って,刑法に定められた行為を犯罪にしないという対応がなされています。

 

ちなみに,例えば,ボクシング。

これは,相手を殴ってけがをさせることもありますが,

スポーツとして一般的なものでもありますし,また,お互いの同意のもとで行われているものですから,

ボクシング選手が傷害罪で毎回検挙されているというようなことはないわけです。

これも一つの,刑法に定められた行為を犯罪にしないという対応です。

 

あるいは,ちょっと今問題も起きているようですが,中絶。

これも原則として,中絶は犯罪ということになっていますが,

母体保護法によって,一定の場合には犯罪にしないという対応がなされています。

 

このIR推進法も,カジノ・賭博について,犯罪にしない対応をする,というものになるはずです。

 

このほか,現在「犯罪にしない」という対応にしている賭博には,

競馬・競輪・競艇などの,国や自治体で行っている賭博行為があります。

これらは特別の法律(競馬法)などによって,公営賭博事業については「犯罪にしない」という対応を採っています。

 

また,私もほんの数年前まではきちんと理解できていなかったのですが,

パチンコは形式上賭博ではありません。

これはパチンコを実際にやったことのある人の方がわかるのではないかと思いますが,

パチンコで出た玉でもらえるのは,お金ではなく,食品だったり,何かよくわからない券,たばこというような,自分で買ったとしても9600円を超えない安価で,かついろんな種類のある景品です。

これは,何か勝負をしたからもらえるというのではなくて,ゲームをやった結果もらえるものという扱いです。

その後,その何かよくわからない券を,近くにある古物商の人が高く買い取ってくれるという偶然が毎回生じているのだ,そういう扱いになっています。

なので,法律上,パチンコはそもそも刑法に該当しない行為だということになっています。

ただし,射幸性が高く,依存する人も多いゲームについて,風営法での規制がなされています。

同じ扱いのものとしては,麻雀も挙げられます。「まあじゃん」という表記がちょっと興味深いです。

客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせるから,ということで,風営法での規制はあっても,その行為そのものが賭博であるとはされていないということです。

 

さて。みなさんが「あれ?それも賭博じゃないの?」と思うほどには,

パチンコは射幸性が高いですし,競馬や競輪も身近にあります。

 

そんな中,IR推進法の制定に関する批判としては,ギャンブル依存症対策がきちんとなされていないというものがあります。

 

朝日新聞の社説からの引用ですが,

http://www.asahi.com/articles/DA3S12686149.html?ref=editorial_backnumber

賭博が禁じられている日本だが、競馬や競輪などの公営競技や、「遊技」とされるパチンコがあり、依存症患者は海外と比べても多いと指摘される。
14年には厚生労働省研究班が「依存症が疑われる成人は全体の5%弱の536万人いる」との推計を示して注目された。

 

 

 

つまり,この法律が制定されなくても,日本はすでに海外と比べても多数のギャンブル依存症を抱えているということです。

「統合型リゾート」という名前からみれば,ギャンブルのみというイメージもないかもしれませんが,

国営・地方自治体運営の賭博事業を,さらに増やそうというものなわけです。

 

弁護士として依存症の人たちにかかわることは大変多く,特に,債務整理が必要になったり,

生活費まで足りなくなってしまって,犯罪に走ったりというケースも多く見られます。

 

このような現状において,これ以上賭博事業を増やすことについて,

依存症になってしまっている方々への対策を同時に行うことは必須です。

むしろ,増やさなくても依存症対策は急務なのですから,減らす方向で考えることも考えていいくらいだと思います。

 

とはいえ,どんな依存症対策ができるのでしょうね。

適法な賭博事業に行くことを止めることはできるのでしょうか。

 

たばこは合法ですが,たばこ依存症に保険が適用されるのと同じように,

病院の費用に保険適用にしますか?

それって,どうなんでしょう?

国は,国営企業のために依存症になったのだから保険適用やむなしとするんでしょうか。

国民の理解は得られるかしら。

 

このほかに,当該地域の治安の問題もあるだろうと思います。

また,マカオなどのIRがすでに設置されている区域において,経済効果が薄れてきているという事情もあるようです。

 

これらの点について,日経新聞や読売新聞でも社説で意見が述べられています。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO10251770T01C16A2EA1000/
 カジノには、ギャンブル依存症の増加や暴力団など反社会的勢力の介入、マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念といった様々な負の側面が指摘されている。
 海外の事例を含め、こうしたマイナス面の検証や具体的な防止策の検討が不可欠なのに、付帯決議で先送りにされた。是非を判断する材料を欠いたままの拙速な審議は、許されない。
 合法化を推進する立場の自民党などは、外国人観光客が増え地方の経済が活性化するといった効果を主張する。だがこの点も冷静に議論してみる必要がある。たとえばマカオのカジノは中国当局による腐敗取り締まりなどの影響で、主な顧客だった中国人富裕層が大きく減っているという。
 (中略)
 日本各地で大規模なリゾート開発を進めた末に多くが破綻した、かつての総合保養地域整備法(リゾート法)の二の舞いになる心配はないだろうか。地方では、競馬や競輪などの公営ギャンブルも低迷しているのが現状だ。
 高齢化や人口減が進むなか、疲弊した経済を立て直すきっかけにしたいという自治体などの思いは分かる。そうであればなおさら、カジノ事業を黒字にできるのかどうか、慎重に検討する必要があるだろう。

 

 

 

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20161201-OYT1T50136.html

 自民党は、観光や地域経済の振興といったカジノ解禁の効用を強調している。しかし、海外でも、カジノが一時的なブームに終わったり、周辺の商業が衰退したりするなど、地域振興策としては失敗した例が少なくない。
 そもそもカジノは、賭博客の負け分が収益の柱となる。ギャンブルにはまった人や外国人観光客らの“散財”に期待し、他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全である。
 さらに問題なのは、自民党などがカジノの様々な「負の側面」に目をつぶり、その具体的な対策を政府に丸投げしていることだ。
 公明党は国会審議で、様々な問題点を列挙した。ギャンブル依存症の増加や、マネーロンダリング(資金洗浄)の恐れ、暴力団の関与、地域の風俗環境・治安の悪化、青少年への悪影響などだ。
 いずれも深刻な課題であり、多角的な検討が求められよう。

 

 

十分な資料検討と,議論と合意なしに,簡単に通していい問題ではありません。

 

むしろ,様々な新聞社説が述べている通り,いずれも負の点が多すぎることから,見直すべきものだと考えています。

札幌でB型肝炎の説明会~検索ワードから記事を書くシリーズ~

昨日・今日は道が滑って大変でしたね。

昨日,くま氏に事務所まで迎えに来てもらったのですが,あわや玉突き事故に巻き込まれるのでは?!と思うような道路状況でした。

 

今日のお昼にお会いするはずだった方も,昨日交通事故に遭ってしまってお会いすることができず…

みなさん,お気を付けくださいね。

 

さて,検索ワードから記事を書いてみるシリーズ。

記事のネタを考えるのが面倒なのではありません…

リクエストなのではないかと思ってのことです…

 

全国B型肝炎訴訟北海道弁護団による訴訟説明会の日程について,

今年度中はもう訴訟説明会の予定はありません。

大変申し訳ありません。

ただ,訴訟説明会は来年度も随時行う予定ですので,ブログにてご連絡させていただきます。

 

弁護団のウェブサイトでも,説明会日程について告知をしております。

札幌市内だけではなく,各地方での説明会も行っています。

http://b-kan-sosho.jp/briefing-schedule/

 

当弁護団と,他の法律事務所の違いについてですが,

当弁護団は,国との間の基本合意を締結した弁護団・原告団の弁護団です。

 

以下は,ウェブサイトからの引用です。

 

弁護団所属の弁護士は、普段はそれぞれの事務所に所属して活動していますが、B型肝炎被害者を含むウイルス性肝炎感染の被害者の救済という理念のもと弁護団を結成して活動しています。
提訴を検討されている方に対しましては弁護団の中から担当を決めさせていただき、相談、具体的な資料の収集のお手伝い、提訴に至った場合の見通しの説明、提訴後の状況のご説明などをさせていただいております。

平成23年6月28日に国と弁護団、原告団との間で和解の条件を定めた基本合意締結に伴い、北海道全域から多数の提訴の希望が寄せられました。
そこで、札幌弁護士会のほか旭川弁護士会、釧路弁護士会、函館弁護士会に所属する弁護士も北海道弁護団に加わり、提訴希望者ひとりひとりに対して居住地に近い地域の弁護士が担当となってフォローを行っています。
各地域では定期的に訴訟説明会を開催するほか、対自治体を含めた啓蒙活動や原告団との交流会などB型肝炎患者全体の救済に向けて活動しています。
北海道弁護団では、単に形式的な和解条件の充足のみを行うだけでなく、直接担当している弁護士を通じて原告ひとりひとりの声を集約し、国への政策提言や交渉に反映させるために日々努力を重ねています。

 

 

これは,期日後の記者会見の様子です。

毎回の期日の後に記者会見を行い,和解の現状についてや,

医療費助成の問題,教育啓発についての報告をしています。

 

全国B型肝炎訴訟北海道弁護団へのお問い合わせは,以下の事務局までお願いいたします。

〒060-0061
札幌市中央区南1条西12丁目4 酒井ビル3F

TEL 011-231-1941
FAX 011-231-1942

(月~金 10:00~12:00、13:00~17:00)

 

そして,次回の和解期日のご案内です。

■日程:2017年1月20日(金)14:00~
■場所:札幌地方裁判所805号法廷

 

期日に先立ちまして13:30から札幌地方裁判所南門前(地下鉄東西線西11丁目駅から北方向へ徒歩3分です)にて、門前集会も行います。

当日の裁判の際に、どのようなことが行われるかなどをご説明します。

 

次々回以降の期日日程
■2017年3月17日(金)
※時間、場所はいずれも14時から、札幌地方裁判所805号法廷です。
なお13:30から毎期日に門前集会を行っています。
原告の方のみならず支援者の方もぜひご参加ください。

過労死等防止対策推進シンポジウムのご報告

もう師走になってしまいましたね。

11月23日に行った過労死等防止対策推進シンポジウムのご報告です。

 

事前の申し込みをはるかに超え,150人の定員いっぱいになる人数の参加をいただきました。

本当にどうもありがとうございます。

 

電通事件の報道もあったからか,フロアから発言も積極的にみられました。

安価で良質な物・サービスの裏には何があるのか,その裏にあるのは人件費削減の可能性が高い,という指摘に対して,皆さんが納得した様子だったのが印象的でした。

 

経営者だけが悪質で,人を死なせようとしているわけではないのではないか…

私がそう感じているだけかもしれませんが,いわゆる経営者の方であっても,

過労死問題は起きないほうがいいと思っているはずです。

 

もちろん,思っているだけの会社に対しては責任追及はしなければなりません。

従業員への安全配慮義務を果たすことは,人を使う以上最低限の義務だと思います。

 

しかし,特にBtoBの現場において,納期だったり,季節だったり,期間が決められているということは大変多いと思います。

そうした場合に,相手の会社も人が働いているのだ,ということにどのくらい思い至るのでしょうか。

電通という会社はいわゆる広告会社ですから,お客さんありき,お客さんの納期ありきの会社です。

相手のうちあわせ時間に合わせて業務を為ざるを得ないということはよくあることなのではないでしょうか。

 

相手の会社にも人が働いているのだ,ということを頭において進めることができない。

それは,何もある特定の会社だけが悪いとか,責任があるとかいうことではなく,

過当競争社会において,そうせざるを得ないことに問題があるのではないでしょうか。

 

過労死等防止対策推進法が,事業者だけではなく,国や自治体の責務として,過労死防止を謳ったことの意味は,ここにあると思います。

 

来年も,過労死等防止対策推進シンポジウムを行う予定でいます。

ぜひ,年に1度のこれを機会に,過労死問題について考えていけたら,と思っています。

過労死等防止対策推進シンポジウムのお知らせその2

本日時点での申し込みは約100名となっています。

 

研修室のキャパシティは150名ですので,椅子には余裕があると思われます。

事前申込制とはなっておりますが,資料確保のためです。

 

厚生労働省の委託担当者からは,150部の資料をすでに準備しているとの回答を得ていますので,

 

ふと,「そういえば行ける」ということで来ていただいても問題ないと思います。

 

ぜひ,みなさまお誘いあわせの上お越しください(*´∀`*)

 

 

真面目なことを投稿するついでに,私の思うところをぽつぽつと。
過労死問題とくくってはいますが,これは基本的に労働者の人権問題そのものだと思っています。

過労死するまで働かせる,労働者を「人」として扱っていたら,
これはそもそも起きないんじゃないかと思わせるような事件があまりに多いです。
基本的に私が何か社会活動と呼ばれるものをやろうとするのは
「そんな社会でいいのかい?」
と思った時です。

「そんな社会を作っている構成員だと思われたくない時」
ともいえると思います。

 

過労死という問題を知ったとき,頭が混乱しました。
そんな事態をほうっておく会社が,社会があったのか,と。
正直言って,信じられないというほうが強かったかもしれません。
いずれにしても,私は過労死問題を知った時,もともと持っていた労働問題に対する素地と相まって,この問題に取り組みたいと思い,今の仕事をしています。

 

ヘイトスピーチ問題もそう。
あんなアホな活動を許す社会の当事者は自分。

 

司法修習生の給費制もそう。
司法にかかる人材育成に責任を持たない当事者は自分。

 

原発問題もそう。
区域外とか区域内とかそんなのはともかく,
原発のある社会,経済構造を許している当事者は自分。

 

あるいは,平和の問題。
今の平和を享受している当事者は自分。
沖縄に負担させて今の平穏を享受している当事者は自分。

 

体もひとつだし,全部に手を付けることはできないし,
ひとつひとつの問題について,
私に責任があるとか,決定権限があるとかないとか,
そういう話ではなくって,
自分がこの社会の構成員であるということを前提に,
そんな社会でいいの?という問いかけに対して,
「それってなんかやだな」
と思ったら,せめて意思表示だけはしておきたいです。

 

運営に回ることはしなくても,参加したり,Facebookで「いいね!」を押したり。

 

なので,「それでいいのか」という問いかけの市民集会をみると,前は
「なんだかいつも同じようなタイトルだな」
と思っていたのですけど,多分それが一番端的に,
何かやらないといけないという気持ちになる端緒を表しているんだなぁと思うようにもなりました。

 

というわけで過労死のある社会はちょっと嫌だな,と思うかたがた。
シンポジウム無料ですので,ぜひ,おこしくださいませ。