昨日は,南スーダンPKO派遣差止訴訟の第2回期日でした。
この間,弁護団はてんてこまい…
同期の橋本弁護士が,7000枚にも及ぶ「日々報告」を分析しました。
これは,本訴訟提起直前の平成28年6月2日から9月10日にかけての南スーダンの紛争の実態と南スーダンPKOの活動について作成された報告書です。
これらを整理することによって,陸上自衛隊第7師団(千歳)中心の第10次隊が活動していた平成28年の時点で南スーダンが武力紛争状態であったこと,PKO参加5原則を満たしていなかったことを明らかにしました。
このほか,
憲法9条とPKOの関係について整理するとともに,弁論の更新に向けた代理人としての意見の陳述,
百里基地判決において平和的生存権が否定されたという理解に基づく国の主張が誤りであることを述べた書面の陳述を行いました。
また,国から取り調べに異議があるとされた書証について,その意義を確認するとともに,
当該書証の出どころについてのやり取りなどを行っています。
国は,今回もなお,事実の認否をしていません。
通常の訴訟では全くあり得ないことです。
その後の報告集会では,7000枚の日々報告についての質問が多くみられました。
日々報告,謄写費用は膨大ですし,マスキングされたものばかりですが,国民はだれでも開示を求めることができます。
報告集会の後には,代理人の安原浩弁護士からの,元裁判官としての憲法とのかかわりについての講演がありました。
裁判官にとって,憲法は背骨であり,普段は民法や刑法や民訴法・刑訴法などの両手両足で仕事をするが,最後に重要になってくるのは憲法なのだとお話されていました。
次回期日は,10月17日15時30分から,札幌地方裁判所805号法廷です。
みなさんの傍聴をお待ちしております。