全国一斉過労死110番の速報

本日実施した過労死110番,依然として大変厳しい職場環境のもとで多くの方がたが苦しんでいるということが明らかになりました。

札幌では,弁護士等専門家4名で対応をしておりました。

 

相談実施地域は全国32都道府県,相談件数総数は278件でした。

そのうち,労災補償相談が約50件に上り,死亡案件も半数近くを占めていました。

そのほかは,過重労働に関する問題が約200件に上っています。

本日の相談結果を踏まえて,今後の取り組みにも生かしていきたいと考えています。

 

「過労死110番」 全国一斉電話相談実施します!

共謀罪のことにかまけて,過労死110番の告知が遅れていました。

 

明日!

過労死110番やります!

 

1988年6月に「過労死110番」が設置されてから満29年になります。

6月に全国一斉電話相談を行うのは今回で30回目です。
長時間労働・深夜労働等の過労が蔓延し,パワハラやセクハラ等による被害も続き,この結果,職場では心身の病気が拡大し,過労死・過労自殺が後を絶ちません。
2014年に過労死防止法が施行され,2015年には過労死防止対抗も閣議決定されました。昨年には「過労死白書」が発表され,電通女性社員の事件が社会に大きな衝撃を与え,今年3月には政府が働き方改革案を出している状況です。
こうした中で,今年も下記のとおり全国一斉相談を実施します。
相談結果は今後の私たちの活動に生かし,行政等にも反映させるべく活動していきたいと考えています。
 

1 名称
「過労死110番」全国一斉電話相談
  主催 「過労死110番」全国ネット・過労死弁護団全国連絡会議

2 相談内容
  過重労働・パワハラなどが原因で病気になったり,死亡に至ったりしたケースの補償に関する相談
  過重労働・パワハラなどをなくし,過労死・過労自殺を予防するための相談

3 相談スタッフ
  職場の自殺・過労死等労災に詳しい弁護士・医師・職業病専門家など

4 日時(電話相談受付時間)
  平成29年6月17日(土)午前10時~午後3時
  電話番号 011-261-7738

5 相談実施地域
  全国32都道府県(ホームページ http://karoshi.jp に掲載)

 

稀代の悪法が可決

おはようございます。

昨日は,SNSやTVで流れてくる報道を見ていたら,全然眠れませんでした。

 

そして,明け方うとうとして,また目が覚めて,TVを見ながら朝の支度をしようとしたところで,

強行採決。

 

共謀罪が可決されてしまいました。

 

 

委員会を省略?

中間報告?

勝手に時間制限を設けた?

 

民主主義をなめるな。

この国を私物化するな。

 

テロ対策が必要なことと,この法律の成立とは,まったく一致していない。

 

法律が成立したとたん,「共謀罪の構成要件を制限したテロ等準備罪」という表現に変わったマスコミと

強行採決に異議をとどめるマスコミと。

どっちがマスコミとして,報道機関として,表現者としてあるべき姿かは一目瞭然。

 

そして,どんな法律を作っても,民衆の心まで奪うことはできない。

共謀罪逮捕第一号になってもかまわない。

 

民主主義ってなんだ!

過労死遺児の交流会

これまで長年にわたって,全国過労死家族の会の活動の一環として、過労死遺児の交流会(愛称「かいじゅうの会」)が行われてきました。

昨年度からは,過労死防止法に基づく民間団体支援の一環として,昨年度から国の事業として行われることになりました。
父親等を過労死等で亡くした子どもたちは,家族でアウトドアに出かけて遊んだりする機会が少なく,また,残された母親等も,悩みや苦労を語り合う場が少ないのが現状ではないかと思います。
今年の遺児交流会は,8月のお盆前に,長野県の池の平のリゾートで行われることになりました。

 

【留意点】
①参加資格は,過労死遺児とその親(保護者)となっています。
②過労死遺児の親(保護者)は,過労死家族の会の会員であることが条件です(なお、今回参加するために新たに家族の会に入会していただいても問題ありません)。
③子どもの年齢は「大学生位まで」となっています。
④子どもだけでも中学生以上であれば原則として参加可能です(詳細はご相談ください)。
⑤過労死等については労災認定がされている必要はありません(労災申請をしていない場合でも,また,申請をしたが認められずに終わったり,現在係争中である場合でも問題ありません)。
⑥参加に要する費用(参加費、交通費、宿泊費、食事代など)は,子どもも親も、すべて国が負担してくれます。東京駅・名古屋駅から現地までの送迎バスも用意されますが,直接現地に行かれても大丈夫です。
⑦子どもさんは,野外活動に参加します。その間,親は保護者向けプログラム(セミナー,グループミーティング,相談会など)に参加できます。

⑧参加希望の方は,6月7日までにご相談ください。

⑨ご連絡いただいた方には,改めて正規の参加申込書や返信用封筒が送られてきますので,6月15日(木)必着で申込書を返送していただくことになります。

 

南スーダンPKO派遣差止訴訟期日報告②

昨日は,南スーダンPKO派遣差止訴訟の第2回期日でした。

 

この間,弁護団はてんてこまい…

 

同期の橋本弁護士が,7000枚にも及ぶ「日々報告」を分析しました。

これは,本訴訟提起直前の平成28年6月2日から9月10日にかけての南スーダンの紛争の実態と南スーダンPKOの活動について作成された報告書です。

これらを整理することによって,陸上自衛隊第7師団(千歳)中心の第10次隊が活動していた平成28年の時点で南スーダンが武力紛争状態であったこと,PKO参加5原則を満たしていなかったことを明らかにしました。

 

 

このほか,

憲法9条とPKOの関係について整理するとともに,弁論の更新に向けた代理人としての意見の陳述,

百里基地判決において平和的生存権が否定されたという理解に基づく国の主張が誤りであることを述べた書面の陳述を行いました。

 

また,国から取り調べに異議があるとされた書証について,その意義を確認するとともに,

当該書証の出どころについてのやり取りなどを行っています。

 

国は,今回もなお,事実の認否をしていません。

通常の訴訟では全くあり得ないことです。

 

その後の報告集会では,7000枚の日々報告についての質問が多くみられました。

日々報告,謄写費用は膨大ですし,マスキングされたものばかりですが,国民はだれでも開示を求めることができます。

 

 

報告集会の後には,代理人の安原浩弁護士からの,元裁判官としての憲法とのかかわりについての講演がありました。

 

 

裁判官にとって,憲法は背骨であり,普段は民法や刑法や民訴法・刑訴法などの両手両足で仕事をするが,最後に重要になってくるのは憲法なのだとお話されていました。

 

次回期日は,10月17日15時30分から,札幌地方裁判所805号法廷です。

みなさんの傍聴をお待ちしております。

 

 

 

共謀罪法案の参議院審議が始まってしまいました。

総がかり行動等,たくさんの市民の反対活動が続いています。

審議の中でこれまでは,

「組織的犯罪集団」について,「自然環境や景観の保護を主張する団体は目的が正当と考えられ,重大な犯罪を実行することにあるとは考えられず,座り込みを計画しても処罰の対象にならない」と説明していました。

 

しかし,「対外的には環境保護や人権保護を標榜していても,それが隠れみので,結びつきの基本的な目的が重大な犯罪を実行することにある団体と認められる場合は処罰されうる」と表現を変えました。

 

共謀罪の恐ろしいところはまさにここです。

この犯罪目的を認定するのは,客観的に何か事件が起きたからではなく,

「捜査機関が刑事訴訟法の規定に従い収集した証拠に基づいて,社会通念に従って判断して認定する」のですから,「組織的犯罪集団だと確実に認められなくてもその嫌疑が客観的にある場合捜査を開始できる」とされたのです。

 

捜査機関が捜査をする場合,基本的に「嫌疑」しかありません。

現行犯以外でも,メールを見たり,ラインを見たり,電話を聞いたり,あるいはいろんなお店のカメラ映像を手に入れたり,「嫌疑」ということでそんなことをしています。

これは,司法修習生として検察庁に配属されていた時にこの目で見ていることです。

 

時の政権に不都合なことを考えていれば,「嫌疑がある」と捜査機関に判断させたということにすれば,当該団体の目的が犯罪目的と認定され,そして,組織的犯罪集団として取り扱われてしまう可能性があるのです。

 

共謀罪法案,決して通してはなりません。

不倫問題が起きたとき,離婚以外の道。

ゴールデンウィーク,みなさまいかがお過ごしでしたか。

私は,いつもだとなかなかできない録音データの確認などの作業をずっとやっていました…。

 

さて,今回は,不倫が発覚した際の分かれ道について,少し書いてみたいと思います。

 

不倫が発覚して,夫婦が離婚を選択した際,弁護士として協力できることはたくさんあります。

しかし,再構築となると,なかなかこれは難しい。

正直言って,経験はありません。

というか,そういう方が弁護士のところにきても,弁護士が入ることはそうそうないと思います。

弁護士が入るだけで,敵対関係になってしまうということもありますし,

いずれにしても再構築するのなら,弁護士費用を支払うよりも大切なものがある,ということになりましょうか。

 

しかしながら,再構築は容易なことではなく,フラッシュバックなどに苦しむ方も多くいらっしゃいます。

 

私の友人,立花凛さんは,カウンセラーとしてこの問題に取り組んでいます。

 

不倫問題・夫婦カウンセリング 離婚回避・夫婦修復したい方へ不倫問題を解決し、夫婦再構築を果たした「立花凛」の夫婦修復相談

 

立花さんは,夫婦の問題が発生した際に,

「今まで以上の夫婦関係を築き上げよう」
「まずは自分を立て直そう」
「女性としても幸せに生きていこう」
「これから先の長い人生,どんな困難も前向きに乗り越えられる力を身につけよう」

という未来に向けた思考になれるよう,カウンセリングをしています。

 

夫の不倫。それぞれの専門家と連結して解決を目指す

 

そんな立花さんのブログに私の事もちょっとだけ触れていただいたので,ご紹介です。
弁護士は,依頼人に寄り添い,獲得目標に向けてともに戦うことで回復を図りますが,

立花さんのようなカウンセラーさんのチカラによって,今後傷を負わない関係づくりができていくのではないでしょうか。

改正裁判所法の成立

昨日4月19日,とうとう裁判所法の改正法が成立しました。

 

これについては,これまで本当に何度も記事にしてきたので,いまさらと思われるかもしれませんが,弁護士1年目から取り組んできたことなので,感無量の思いです。

 

 

以下,札幌弁護士会の会長声明を転載します。

 

修習給付金の創設に関する改正裁判所法の成立にあたっての会長声明

 本年4月19日、司法修習生に対して修習給付金を支給すること等を内容とする改正裁判所法(以下「本法」という。)が成立した。同法の施行は平成29年11月1日が予定されており、第71期司法修習生から修習給付金が支給されることとなる。

 平成23年に給費制が廃止されたため、同年採用の新第65期司法修習生以降、修習資金を貸与する制度(貸与制)が導入された。しかし、貸与金はあくまで司法修習生にとっての債務にすぎず、貸与制とは結局、司法修習生に給費を一切支給しない無給制を意味するものである。そして、新第65期から現在修習中の第70期までの司法修習生は、無給での司法修習を強いられてきた。

 司法修習生は、修習専念義務が課されたうえ、原則として副業が禁止されていることから、無給となった司法修習生は経済的に非常に困窮し、多くの司法修習生は、国からの修習資金の貸与を受け、司法修習に要する経費及び生活費等をまかなっていた。無給制の下の司法修習生は、司法修習生に採用される以前の法科大学院や大学の奨学金債務に加えて、司法修習のために更に数百万円の債務を負担せざるを得ない事態が生じており、このような経済的負担の重さが、近年の法曹志望者の激減の一因となっていた。

 そもそも、司法制度は、三権の一翼として、法の支配を社会の隅々まで行き渡らせ、市民の権利を実現するため社会に不可欠な基盤である。法曹(弁護士・裁判官・検察官)は、その司法を担う重要な役割を担っているところ、司法修習は、法曹としての実務に必要な能力や高い見識・倫理観等を習得するために必要不可欠な制度である。このため国は、司法制度を担う人的インフラである法曹を養成するため、公費をもって司法修習制度を行う責務がある。
 
 司法修習生に給費を一切支給しない制度(無給制)は、上記の国の責務を果たさないものであり、当会では、これまでも、日弁連と共に給費制の廃止に反対し、給費制廃止後は司法修習生に対する経済的支援の充実(給費型の制度の実現)を繰り返し訴えてきた。
 
 その結果、司法修習生に対する経済的支援の必要性が広く認識されるに至り、本法が成立したものである。 

 本法に基づいて制定される予定の最高裁判所規則では、平成29年度採用の第71期以降の司法修習生に対して、基本給付として一律月額13.5万円が支給され、さらに、住居給付(上限3.5万円)、移転給付が支給されることが定められる見込みである。なお、現行の貸与制は、貸与額等を見直した上で上記の給付制度と併存することとされた。
 
 本法は、司法修習生に対する一律での給付が実現したという点において、これまでの無給制が誤りであったことを認めたものであり、また、司法修習生の経済的困窮を幾分か和らげるものではある。したがって、当会としても、本法の成立自体については、司法修習生に対する経済的支援の前進と評価するものである。
 
 しかしながら、本法による給付金額は、経済的不安なく司法修習を行うための費用としては必ずしも十分ではない。本法に基づく給付金額については、司法修習の意義及び今後の司法修習の実態もふまえて、その適正額について引き続き検討が続けられるべきである。

 また、本法の成立により、新第65期から第70期の司法修習生のみが、無給での司法修習を強いられ、給費制のもとで修習した旧65期・第64期以前の司法修習生及び修習給付金の支給を受ける第71期以降の司法修習生と比較して著しい不公平が生じることとなる。そこで、新第65期から第70期までの司法修習生に生じる著しい不公平を解消するための措置をとることが必要不可欠である。

 このように、本法が成立した後も、給付金額、及び、新第65期から第70期までの司法修習生に対する不公平に対する措置、という2つの課題が現存しているところである。

 当会としては、本法の成立をひとまず前進と受け止めるとともに、今後も、上記の課題の解消を実現すべく、引き続き運動を続けていく所存である。

2017年(平成29年)4月20日
札幌弁護士会
会長 大川 哲也

 

 

メンタルヘルス対策の取組割合は約6割

平成28年度の北海道労働局健康課の調査結果からの投稿です。

 

同調査によれば,

① 労働者数50人以上及び労働者数30人以上49人以下の主要な4業種(製造・建設・運輸交通・社会福祉施設)の事業場において,メンタルヘルスに関する教育研修など何らかの取り組みを実施している事業場の割合は65.1%

② 労働者数50人以上で何らかの取り組みを行っている事業場の割合は83.6%

③ 労働者数30人以上49人以下の主要4業種で何らかの取り組みを行っている事業場の割合は37.8%

となっています。

 

また,その取り組み状況について,

① 安全衛生委員会などにおけるメンタルヘルスの実態を把握しているのが46.3%

② 事業場に置けるメンタルヘルスの実態を把握しているのが59.7%

③ 心の健康づくり計画を策定しているのが20.4%

④ メンタルヘルス推進担当者を選任しているのが32.5%

⑤ メンタルヘルスに関する教育研修を実施しているのが34.3%

であると報告されました。

 

 

☑ メンタルヘルス対策の具体的な方法

☑ 労働衛生委員会で何を審議するべきなのか

☑ メンタルヘルスの実態をどう把握するか

☑ 心の健康づくり計画って何だ?

☑ メンタルヘルス推進担当者とは何か

☑ 新入社員のメンタルヘルス対策がわからない

 

こういった場合には,産業保健総合支援センターや,弁護士などにご相談ください。