今年を振り返る②

きたあかり法律事務所の弁護士皆川です。

今年を振り返ってのエゴサーチシリーズですが、画像検索もやってみました。
裁判員裁判事件の記者会見の写真なんて、いったい何年前の写真なんだ…!と驚きつつ。
ippo札幌のことを書こうと思います!

ippo札幌は、

中央区で開業したいけど、事務所を借りるお金が足りない
今は限られた時間だけ仕事して経験を積み、将来に備えたい
打合せをするところがファミレス…他にない?
公共施設はなかなか予約がとれない
中央区でお仕事したらお客さんが来やすい?など市場調査がしたい
株式会社にしたいけど、登記できる住所がない など

といった起業を考えている女性のためのスペースとして今年オープンしました。

ここで、私はippoレッスンというタイトルでの講義をさせていただいています。

←ippoレッスンのことはこちらのバナーから

起業するのにあたって必要な法律上の知識を一通りお教えするといった内容です。

講義をするのが全員女性だというのもなかなか面白いなと思うのですが、
内容が本当に充実しています。
自分がもしお勤めをしていて、自分で起業したいと思ったときに
この講義を受けたら本当にいいだろうな~!と思えるようなものばかりです。
もちろん、税理士さんや社会保険労務士さんの講義もありますので、
今も私は逆にそっちに行きたい…!(笑)

ブログ記事でもっときちんと紹介すればよかった…と、ただいま反省しきりです。
2018年3月までは↑の講義がありますので、興味を持たれた方はぜひお越しください♪

平成22年度道議会政調費訴訟 勝訴のご報告

島田です。
私が代表を務める札幌市民オンブズマンで取り組んでいる、平成22年度道議会の政務調査費の返還請求を求める訴訟の判決が、12月8日(金)午後1時30分に札幌地裁で言い渡されました。

この訴訟で問題としていたのは、大きく分けて、
① 会派(自民党、民進党)から政党支部に対する「調査委託費」名目での年間数千万円の支出
② 議員による事務所費・人件費の支出
のふたつでした。

①については、札幌市民オンブズマンは、平成20年度と平成21年度の政務調査費について先行して同じ争点の訴訟を提起していました。
この先行する二つの訴訟については、いずれも最高裁まで争いましたが、最高裁では、平成20年度は全額適法(敗訴)、平成21年度は2分の1が違法(勝訴)と、結論が真逆に分かれていました。
したがって、今回の平成22年度の判決は、「1勝1敗」の後の司法判断の方向性を示すものとして、非常に注目されるものでした。

結論としては、裁判所は、平成21年度政調費訴訟と同様に、政党支部に対する調査委託費の支出は、2分の1を違法と断じました。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20171208/3184251.html
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/150034

当然の結論とはいえ、この判決には、本当にほっとしました。
年間数千万円もの税金が、「調査委託費」という名目で政党支部に流れていくのは、明らかに異常です。
司法がこれを正す判断をしてくれたことは、札幌市民オンブズマンとして、心から敬意を表するものです。

また、議員事務所費・人件費についても、裁判所は、議員らが主張する事務所の使用実態・職員の勤務実態について、事後的に説明可能な客観的な資料が残っているかどうか、という観点から厳格に判断し、議員が一方的に主張しているだけの按分比率については認められないと判示しました。
政務調査費が税金を原資とするお金であり、その使いみちについて事後的に検証可能なように様々な制度が設けられていることを正しく踏まえた、適切な判断枠組みと評価できます。

判決での最終的な合計の認容額は、約9140万でした。
これは単年度の政務調査費についての認容額としては、全国的にも過去最大級とのことです。

今後、舞台は控訴審に移ると思われますが、引き続き、ご支援のほどをよろしくお願いいたします。

除斥案件に光!B型肝炎訴訟福岡判決が出ました!

今日は、B型肝炎に苦しむ人たちへの朗報があります!

除斥といって、不法行為の時から20年経過した場合、民法では損害賠償請求ができなくなってしまうという制度があります。
B型肝炎訴訟では、慢性肝炎の発症から20年が経過した、つまり20年以上も肝炎に苦しんできた人について、どのように対応されるべきかということが大きな問題になっていました。
このことが真正面から争われて、慢性肝炎が再発した原告2名の方に対して、国は慢性肝炎の最初の発症時点を起算点として除斥を適用すべきであると主張していた案件がありました。慢性肝炎が再発した原告2名に対し、被告は、慢性肝炎の最初の発症時点を起算点として除斥(民法724条後段)を適用すべきであると主張していました。
そして、その件について、福岡地方裁判所での判決の言い渡しがありました。

判決は、以下の通り、被告国の除斥適用の主張を退けた上で、原告らの請求全部を認容したと、福岡の弁護団から報告がありました。
「最初の慢性肝炎発症時において、その後のHBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害をも請求することは客観的に不可能であったというべきである。したがって、原告らは、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症時に、HBe抗原陽性慢性肝炎による損害とは質的に異なる新たな損害を被ったものというべきであり、上記発症時に、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症に係る損害賠償請求権が成立したものと解される。
そうすると、原告らのHBe抗原陰性慢性肝炎発症による損害賠償請求権に係る除斥期間の起算点はHBe抗原陰性慢性肝炎の発症時となるところ、原告らは上記発症から20年以内に本件訴訟を提起したものであるから除斥期間は経過していない。」

このように、再発した肝炎について、再発した発症時点を起算点とするということについては、全国で初めての判決であり、同様の再発の慢性肝炎原告を含め、すべての除斥対象者に対して救済の道を広げるものです。

これを受けて、全国B型肝炎訴訟北海道弁護団では、緊急の電話相談会を行うことも決まりました。
12月16日・17日
午前10時から午後4時まで
011-231-1941

「自分は救済対象となるのか?」
「どのような救済が受けられるのか?」
「必要な書類や手続きは?」
などについて、当弁護団に所属する弁護士が直接電話でご相談をうかがいます。
ご遠慮なくお問い合わせください!

事務局体制が変わりました

きたあかり法律事務所です。

先月から、当事務所の事務局体制が変わりました。
弁護士2名・事務局員2名体制にて運営するようになりました。

新たな戦力を加え、さらに充実したリーガルサービスを皆様に提供できるよう、より一層精進してまいります。
皆様におかれましては、引き続ききたあかり法律事務所へのご支援・ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第1号 掲載のお知らせ

きたあかり法律事務所です。

当事務所の弁護士は、ブラック企業問題に力を入れており、ブラック企業被害対策弁護団の北海道での事務局事務所です。
ブラック企業被害対策弁護団では、LITERAにて、
「ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100」
と題して、弁護団の弁護士たちが経験した「トンデモ」なブラック企業に関する記事を連載することになりました。
その記念すべき第1回の記事がアップされましたので、ご紹介いたします。

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第1号 

来年には島田や皆川の記事も随時掲載される予定です。

今年を振り返る①

きたあかり法律事務所・弁護士の皆川です。

今年を振り返ってみようと思い立ち、Googleにて事務所に関する言葉のエゴサーチをしてみたところ、
一番多いのは、島田弁護士のオンブズマンに関する記事のようです。

たとえばこんなかんじ。

札幌市議会、一部違法認める 3会派の3160万円 地裁判決

札幌市議会4会派に2010年度交付された政務調査費(現・政務活動費)のうち約7100万円は違法な支出だったとして、札幌市民オンブズマンが秋元克広市長を相手取り、各会派に返還を求めるよう訴えた訴訟の判決が16日、札幌地裁であった。湯川浩昭裁判長は3会派に約3160万円の返還を請求するよう市長に命じた。
判決では、民主(現・民進)会派が政務調査費から民主党札幌に業務委託費として支出した2112万円について、従事した職員が選挙公約作成など政党活動などに関する業務もしていたとして、2分の1の支出は違法とした。

また自民16人、民主3人、共産1人の市議が使用する事務所費や雇用した職員の人件費の一部について、市議会が具体的な使途基準を示した「手引き」などに違反しており、違法な支出と認定した。
湯川裁判長は「政務調査費の支出の違法性を具体的に立証する必要はなく、議員が適切な反証ができない場合は違法」と指摘した。一方で改革維新の会については「同一性のある会派が存在しない」として返還対象にならないとした。
札幌市で記者会見した札幌市民オンブズマン代表の島田度弁護士は「全ての主張が認められたわけではないが、委託費名目で政党に流れた用途不明の大金の半分が違法との認識が示されたのは価値がある」と話した。
秋元市長は「今後の対応は、判決内容を十分に精査して検討したい」とのコメントを出した。
「大変厳しい判断」
札幌市議会の自民会派の宗形雅俊幹事長は「主張が通らなかった部分は大変残念。十分精査したうえで今後の対応を検討したい」とした。
民進会派の大嶋薫会長は「大変厳しい判断と受け止めている。弁護士と相談して判断する」、共産会派の伊藤りち子団長も「判決文の内容を見て対応を検討する」とのコメントを出した。
政務調査費を巡っては2016年12月、高橋はるみ知事に対して道議会の自民、民主(当時)両会派と道議約50人に計約4800万円の返還を求めるよう命じる判決が最高裁で確定。道議会事務局によると、2月17日までに全額が返された。【安達恒太郎、酒井祥宏】

毎日新聞の元記事はこちらをクリック♪

私はオンブズマン制度のことはよくわかりませんが、
今日、平成22年の道議会の政務調査費に関する判決が出るようで、
島田弁護士が↑のとおり札幌市民オンブズマンの代表をしているので、
いろいろと問い合わせがあるようです。
なお、当事務所はオンブズマンの事務局事務所ではないのでご注意ください☺

きっと、今回の判決の内容についても、島田弁護士が追って記事を書くのではないかと思います。

過労死等防止対策推進シンポジウムの報告

従前お伝えしていた、過労死等防止対策推進シンポジウムのご報告です。

11月24日午後、エルプラザホールで開催されました。

上野武治医師から「精神疾患」が「疾患」であることについて、
脳の糖代謝状況等の科学的見地からの画像を交えた報告
復職に向けてのスケジュールや利用できる制度などのご説明をいただきました。

また、笑福亭松枝師匠から「ケンちゃんの夢」と題して
過重労働によって父親を亡くした家族を題材とした落語の舞台がありました。
落語の中には、大谷翔平選手や清宮幸太郎選手の名前が出てきて
北海道民にとってはたいへんタイムリーな話題でもありました。

過重労働がなければ、このシンポジウムを開催する必要はないが、
残念ながら来年もシンポジウムを行わなければならないかもしれないこと、
来年も、事業者・労働者双方の協力のもと、豊かな社会実現をしていきたいことを
皆川洋美弁護士から閉会のあいさつとして述べさせていただきました。

なお、当日はあいにくのお天気でしたが、事前申込を大きく上回る170人以上の方にお越しいただきました。
来年に向けて、また動き出さなければなりません。

過労死等防止対策推進シンポジウムのお知らせ

第3回 過労死等防止対策推進シンポジウムを開催します。

今回は,
精神疾患を患って休職した従業員の職場復帰の問題について精神科医からの視点で実践的内容の講演
「ケンちゃんの夢」という過労死問題を題材とした落語
をメインテーマとして実施します。

みなさんお誘いあわせの上、奮ってお越しください。

■プログラム
[主催者挨拶] 厚生労働省北海道労働局
[後援者挨拶] 北海道経済部労働政策局
[施策説明] 「長時間労働に係る過重労働防止対策」
厚生労働省北海道労働局
[基調講演] 「精神科医の目から見た過重労働~職場復帰・社会復帰の視点から~」
上野 武治 氏
(精神保健指定医、認定産業医、北海道大学名誉教授)
[活動報告] 北海道過労死を考える会
[過労死問題をテーマにした落語]「ケンちゃんの夢」
笑福亭 松枝氏

■日時
平成29年11月24日(金)13時30分~(開場13時)

■場所
札幌市男女共同参画センター(エルプラザ)3階ホール

■入場無料

資料準備の観点から事前申込(FAX・インターネット)をお願いしていますが、
当日申し込みや北海道コーディネーター皆川へのご連絡でも構いません。

主催:厚生労働省
後援:北海道、札幌市
協力:過労死等防止対策推進全国センター
   全国過労死を考える家族の会
   過労死弁護団全国連絡会議
   札幌弁護士会

ホームページが完成しました!

きたあかり法律事務所です。

寒くなってまいりました。
文化の日の本日。
事務所開設から約3か月を迎えることができました。

そして,ようやく事務所のホームページを開設しました。
FacebookやTwitterなども更新していますが,
これからはホームページもよろしくお願いいたします。

ディーセントワークを考える講義

こんにちは。

7月8日の毎日新聞にちょっとだけ名前が出ていたので,思わずご紹介です。

 

ほっかいどう 働く人の権利を学ぶ 江別高定時制で出前授業 契約や休暇、相談窓口など説明 /北海道

毎日新聞2017年7月8日 地方版

 長時間労働や過労死など特に若い世代の労働環境が問題になる中、江別市の江別高校(吉田岳夫校長)定時制で、北海道労働局の監督官らによる出前授業が始まった。厚生労働省は働く人の権利や相談先などを知ってもらおうと高校や大学生らを対象に講師派遣事業を行っており、昨年度は道内20校で実施。働き方改革が叫ばれる中、「ディーセントワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)の大切さを伝える。

 江別高定時制の授業は、夏休み明けまでの計3回実施される。初日の5日は道労働局監督課の金曽恵一・特別司法監督官が講師を務め、4年生11人が出席した。

 金曽監督官は「労働時間や賃金などを示した労働条件通知書を必ず書面で交わす」「アルバイトでも働いた期間に応じて有給休暇が取得できる」などと説明。「仕事上のミスぐらいでは解雇できない」など労働法の基礎を伝え、困ったことがあったら相談窓口を利用するようアドバイスした。

 11人のうち9人がアルバイトをしており、生徒たちにとっては身近なテーマ。建設会社で働く免田季也さん(18)は今の仕事に不満はないが、兄は以前コンビニエンスストアでアルバイトした際、午前4時までの勤務後に3時間サービス残業をさせられたこともあったという。「ブラック企業は若者使い捨て企業との説明が分かりやすかった。疑問に思ったことは相談したい」と話した。

 今後の授業では、個人で加盟できる労働組合「さっぽろ青年ユニオン」の岩崎唯委員長と、過労死問題に取り組む皆川洋美弁護士が講師をする。

 担当の飯塚正樹教諭は「生徒はアルバイトで社会とつながっており、仕事上のトラブルを防ぐことが学校生活を安定させることにもつながる。これから本格的に社会に出たときにも必ず役に立つ」と話した。【千々部一好】