コラム
皆川洋美です。 先日載せた、アイエムアイさんのなるなる面会交流通信への寄稿です。 こちらは、昨年の7月号に載せたものです。
今年の夏は格別に暑いですね。ベビーパウダーにハッカ油を吹き付けたものを汗をかく場所にはたいて出勤していました。お勧めです。 さて、今回は、試行的面会交流のことについてです。 これは、家庭裁判所の中にある児童室(なかなかたくさんのおもちゃがあります)を使って、面会交流の調停をどうやって進めていったらいいのかということを検討するために、「ためしに」面会交流をするための手続です。どんな調停でも行われるわけではありません。 お子さんと非監護親が面会交流をしたらどういうふうになるのか、監護親が心配する時などに利用されるものです。 実際にお子さんと非監護親が面会交流をしている状況を、子供の心理のプロである裁判所調査官が確認し、裁判官や当事者の面会交流の調停での判断材料を提供するための手続になります。 そのため、毎月実施するということはありませんし、調査官の調査のために必要な時間として30分から1時間程度、調査官と同席のもとで面会交流を行うものです。 ですから、日常の面会交流の代替手段として行うというイメージではないかなと思います。 しばらくお子さんに会えなかった非監護親としては、試行でもいいから何度でも会いたい…と思うのかもしれませんが、そういうものではないのです。 しかし、この試行的面会交流を経て、監護親としては、「これだけ子供のことをきちんと面倒をみられる人だと思わなかった…」と気持ちが緩むこともありますし、非監護親としては、「自分は子供とうまくやれていると思ったのにそうではなかった…」と気づくこともあるようです。 その後の調査官の報告書の内容を読んで、いろいろと考えてみて欲しいなと思います。 また、本当に久しぶりに会うお子さんですから、児童室にあるおもちゃだけではなく、何かおもちゃの贈り物をしたいという気持ちになることもあるかもしれません。 しかし、試行的であろうと、普通のであろうと、面会交流はお子さんと親御さんの時間です。 贈り物のための時間ではないことを忘れないでほしいなと思いますし、おもちゃに頼らない親子関係が作れるといいなと思います。 次回は、面会交流の時の贈り物について、書きたいと思います。
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